第2回 ダイレクトメール(DM)の作成と作品のセレクト

こんにちは、月刊誌『フォトコン』編集部です。
前回で具体的な内容が決まった、フォトコン編集部写真展『構成――家族のかたち』。ダイレクトメール(DM)の作成にも着手し、開催へ向けて着々と準備が進みます。

平本と石野は、さっそく展示作品の選定をスタート。写真展初挑戦の大江も、前回の佐々木啓太先生のアドバイスを元に撮影へ…。

DMに載せるべき内容は?

前回までのミーティングで、タイトルや展示のテーマが決まった今回の写真展。その告知のため、次はDMの制作に取りかかります。

DMは、写真展の開催を各所に知らせるための重要なツール。それ1枚で必要な情報が伝わるよう、注意してデザインする必要があります。
載せるべき情報は次のようなものです。

・写真展のタイトル
・開催場所の情報(名前、住所、最寄り駅からの行き方など)
・開催期間と開廊時間
・展示のイメージが伝わる写真
・期間中のイベント


メンバーで内容を話し合い、石野がデザインのラフを作成。デザイナーとのやりとりを経て、デザインが完成しました。



オモテ面

ウラ面



オモテ面には詳細な内容のほか、ギャラリーまでの地図や最寄り駅からの移動時間などを掲載し、DM1枚で会場までたどり着けるよう情報を掲載。
ウラ面にはタイトルと開催期間・開催場所、石野の展示予定作品を載せ、一目で展示のイメージが伝わるようなレイアウトにしました。

最終確認後、OKを出していざ入稿。今回は全部で1500枚を用意し、


・『フォトコン』6月号に同封して定期購読者の方に郵送
・ほかのギャラリーに設置してもらう
・メンバーが持ち歩いて、打ち合わせの際などに各所へ配布


といった方法で告知をしていきます。


作品セレクトもスタート!

平本と石野は、会場となるJam Photo Galleryを訪問。鶴巻育子先生と岡嶋和幸先生に作品を見せ、展示枚数や大きさ、セレクトの方法などのアドバイスを受けます。

一方の大江も、週末を利用して実家に帰省し、50ミリの単焦点レンズ1本で家族の様子を撮影。
そこから30枚ほどを選んで2Lサイズにプリントし、佐々木さんに見ていただきました。

――アドバイスをいただいた通り、まずは自分が感じたままに家族を写してみました。いかがでしょうか…。
なるほどなるほど…さっそく指摘していきましょう(笑)。
まず、被写体との距離がどれも一緒ですね。写す角度などは工夫していますが、距離はほとんどが1メートル前後。被写体に対する遠慮が見えてしまっています。


――なるほど…お互いに初めての経験だったので、無意識に緊張していたのかもしれません。
距離が一緒だと、主観と客観の区別があいまいになり、平坦な印象になってしまいます。引くならしっかりと引き、寄るなら思い切って寄る。ズームができない単焦点レンズだからこそ、自分自身が積極的に動きましょう。
加えて、被写体とのコミュニケーションは欠かさないこと。「もっと入り込んで撮りたい!」という気持ちがあれば、距離感はおのずと変化するはずです。


――相手の手元など、部分を切り取る撮り方も試してみました。これはどうでしょうか?
もちろん、それも一つの表現です。ただし、横や背後のカットばかりで、どれも後ろ向きな印象になっていますね。
同じ手元を写すにしても、正面からなのか、横からなのか、角度によっても雰囲気が変わってきます。それを意識して、前向きなイメージの撮り方を模索してみましょう。


――今の時点では、なかなか展示のイメージが浮かびません…。枚数や並べ方はどう考えればいいでしょうか?
たとえば、今回良いと思った写真で考えると…



おもむろに写真を並べる佐々木さん。あっという間にレイアウトが組み上がりました


こういった感じでしょうか。
大切なのは、展示全体で強弱をつけること。この中でいえば、猫や料理は印象が強く、誰もいないテーブルなどは印象が弱いです。こうして展示のレイアウトをつくる上でも、被写体との距離などを変えて作品を撮るのは重要なのです。


――ありがとうございました! 早速また週末に撮影してみます。
頑張ってみてください。まあ、今度は最初のように撮れないと思いますが…。


――…と言いますと?
制約がなかった最初と違い、次は今回の話を思い返しながら撮影すると思います。すると、どうしても撮る枚数が減ってしまうもの。写真展を目指すうえで、この壁は必ずぶつかります。
こればかりは実際に体験するのが一番ですね(笑)。しっかり考えながら、かといって考えすぎず、撮影に取り組んでみてください。


話を終えて、佐々木さんは笑顔で編集部を後にします。
最後の言葉に一抹の不安を覚える大江。果たして、次の撮影はどうなるのか…。

次回へ続きます。


<ギャラリー情報>
Jam Photo Galleryでは現在、ハービー・山口先生の写真展『CLASH and CLICK 〜あのロンドンの記憶』を開催中。
詳細はホームページをチェック!
https://www.jamphotogallery.com/


<本誌情報>
『フォトコン』2019年6月号は、5月20日(月)に発売。
写真展の情報や展示予定作品も掲載しています!