第1位 山内 満(愛知)
[選評]カラー写真が当たり前の現代において、モノクロ化する意味といえば、昔の写真のような雰囲気を出すほか、色の情報を減らすという役割を持ちます。色をなくし、明暗だけで描くことにより、凍った池が木を中心に層になって広がっている紋様をさらに強調させています。また、コントラストが高く、木の影が氷の上にくっきりと映し出されているのも、冬の澄んだ日差しを感じさせています。(吉住志穂先生)キヤノンEOS5D MarkⅣ・EF100~400ミリ・C-PL・F16・1/160秒・ISO200・三脚・エプソンSC-PX5VⅡ・富士フイルム「画彩」プロ/日光市・2月上旬,9:00頃
第2位 堀川 宏(熊本/フォト熊彩)
【選評】絵画のような1枚。初めて見た瞬間にこの作品と恋に落ちたと言ったらよいだろう。構図、光、色、馬の動き、どれを取っても申し分なく、審査後、家に帰ってからも絵が脳裏に焼きつくほど。まさにキラーフォト。細かい点ですが、馬の前右足が雪を掻くところが雪の重さを強調しています。まさにこれぞ作品という1枚でした。(相原正明先生)
ペンタックスK-3・シグマAF18~35ミリ・F8・1/400秒・ISO200・エプソンPX-H6000・アワガミプレミオ雲流/阿蘇市・1月下旬,9:00頃
第3位 緒方桂子(熊本/フォト熊彩)
【選評】美しいだけではなく、植物の生命力や命の移り変わりといった、テーマがある作品ですね。枯れた木々の根本から、新たな芽を出し、地中から一気にエネルギーを放出したかのようです。また、枯れ枝はモノトーンで花や葉は鮮やかな色彩という対比も感じられました。テクニックとしては広角の遠近感を利用しつつ、迫って迫力を出し、絞りを絞り込んで、奥の枝までシャープ感を上手く出していますね。(吉住志穂先生)
富士フイルムX-H1・XF10~24ミリ・PL・F11・1/100秒・ISO400・エプソンPX-7V・エプソン写真用紙クリスピア/阿蘇市・5月下旬,11:00頃
第4位 松本義信(愛知/豊南カメラクラブ)
【選評】水面に投影した対岸風景をイメージ表現で見せています。作者は現実を省いて水面だけで作品化しました。さらに色彩はパステル調で独創的な作風に仕上げています。抽象化した作品は曖昧さが目立つと失敗しやすいリスクも伴いますが、この作品では映り込む景観だけでなく、水面の揺らぎや波紋を計算し、シャッターチャンスを見据えています。無駄のない構成力と見せ方のうまさに感心しました。(田中達也先生)
キヤノンEOS6D MarkⅡ・EF70~300ミリ・F25・1/4秒・ISO100・三脚・キヤノンPIXUS PRO-100・富士フイルム「画彩」写真仕上げ/愛知県設楽町・2月中旬,8:00頃
第5位 岡本恵美子(福島/写友「景」,フォト四樹)
【選評】冬の名残りの残雪と春の訪れを感じさせる新緑の木々。上と下、別々にある被写体同士ですが、映り込みを利用して一つに収められています。揺らぎが少ないので映り込みがくっきりしていますね。奥の映り込みにできた波紋が水面らしさを感じるポイント。また、水と残雪が重なっている部分のミント色が綺麗で、自然にはなかなか見られない、やわらかで春らしい、素敵な色彩です。(吉住志穂先生)
ニコンD850・AFニッコール28~300ミリ・PL・F11・1/80秒・ISO200・三脚・エプソンSC-PX5VⅡ・ピクトリコプロセミグロスペーパー/山形県西川町・5月中旬,15:00頃