【機能面が大きく進化したラージフォーマットミラーレスカメラ】

解説:吉森信哉

筐体にはマグネシウム合金を採用。60カ所にシーリングを施し、防塵・防滴性能にも優れている。

 

高画素センサーと手ブレ補正機構を搭載

—– ラージフォーマットセンサー搭載の、GFXシリーズの最新モデルです。
吉森 GFXシリーズの5番目となる機種で、有効約5140 万画素センサーが採用され、ボディ内手ブレ補正機構が搭載れています。また、高速画像処理エンジンと最新アルゴリズムにより、被写体を正確にとらえる高性能AFも実しました。

—– GFX Sからの進化点や、 GFX100などとの違いはありますか?
吉森  撮像センサーの画素数は50Sや Rと同じですが、これらにはボディ内手ブレ補正が搭 載されていません。また、 S の電子ビューファインダーは着 脱式でしたが、本製品は固定式です。有効約1億200万画素のセンサーを搭載したGFX100Sは、本機種と同じくボディ内手ブレ補正と固定式ビュー ファインダーを搭載。センサー 画素数の違いを除けば、本製品の仕様は100Sに近く、外観 デザインも似ています。

—– ボディの使用感や操作性は どうですか?
吉森 外観デザインが100S に近いマグネシウム合金製のボ ディは、全体のバランスの良さ が印象的です。グリップ部の張り出し具合や形状も好印象で、 ホールド性も良好。手にした際に剛性の高さも感じます。また、シャッターを切った際の作動音の小ささや衝撃の少なさにも感心しました。シャッターボタンを含めた各種ボタンや 前後ダイヤルの操作感も快適です。

富士フイルムらしい優れた階調表現
—– 実際の描写性能はどうでし たか?
吉森 有効約5140万画素のセンサーと、高速画像処理エンジン「X Processor 4」によって紡ぎ出される画像 は非常に高精細かつ階調再現に優れています。もちろん、富 士フイルム独自の「フィルムシ ミュレーション」による色彩描写も大きな魅力です。そして、 GFX100や100Sを上回る、最高段の補正効果が得られるボディ内手ブレ補正機構により、光量に恵まれない状況でも手ブレを抑えた手持ち撮影が 行えました。

標準ズームレンズの望遠端での手持ち撮影。ISO感度の上限値を低めに設定したので、1.3秒という 低速シャッターになった 。しかし、最大6.5段のボディ内手ブレ補正機構の効果で、手ブレを抑えたシャープな描写が得られた。GF32~64ミリ・F4・1.3秒・ISO320・WB晴れ

カメラを可能な限り水面に近づけ、縦位置でスイレンの花を切り取る 。本製品は3方向チルト機構の液晶モニターを搭載しているので、縦位置でのローポジショ ン撮影も快適に行える。 GF100~200ミリ・F4・F5.6・1/140秒・ISO500・WBオート

—– GFX50SIIの魅力はどん な点でしょう?
吉森 何といっても、コストパ フォーマンスの高さが魅力です。 GFX SやGFX100は高性能ですが、発売時の価格の高さがネックでした。しかし、本 製品は税込で約50万円という価格を実現。そして、高画素機ながら優れた手ブレ補正機構を搭載し、上位機と同様に4倍の高解像画像が得られる「ピクセル マルチショット」機能も搭載しています。こういった充実した機能や仕様を備えていながら、 発売当初のRより安い価格で 購入できるのです。 このように、本製品は中判デジタルカメラのデビューにも相応しい魅力的な製品です。

【新製品のここに注目
1 有効約5140万画素のセンサーを搭載
2 高解像かつ階調豊かな描写性能
3 5軸6.5段の手ブレ補正機構を採用

こんな人にオススメ
●ラージフォーマット機を導入したいと考えている
●高画素を生かした撮影に取り組みたい
●手ブレを気にせずどんどん撮影したい

 

 
撮像素子 約5140万画素
ラージフォーマットCMOSセンサー
ISO感度 ISO 100〜12800
ファインダー 約369万ドット、倍率約0.77倍
液晶モニター 3.2型、約230万ドット
連写性能 約3コマ/秒
AF測距点 425点
記憶媒体 SD / SDHC / SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
大きさ 約150(幅)x 104.2(高さ)x 87.2(奥行き)ミリ
重さ 約900グラム