撮影現場に密着!
写真ライフを謳歌する若者たちの5ルール
写真に夢中な若者たちはかなりストイックだ。趣味が多様化している現代で、彼らはどのような意識を持って写真生活を謳歌しているのか? 1年間彼らの撮影現場に密着し、それぞれが持つ5つのルールを見せてもらう。
高橋直哉さん
埼玉県在住。夕景夜景など都市風景の撮影を中心に活動。一方で、カラーでのスナップ作品も多く発表している。国内外のフォトコンテストへ精力的にエントリーする傍らで、近年は雑誌・書籍への作品提供も行っている。
ルール1:特別な準備はしない
大切にしているのはその場での出会いです。たとえ友人が一緒にいても演出をするようなことはありません。自分の予測を超える出来事に巡り会えるのが「スナップショット」の魅力です。特別な準備を行わず、偶然の出会いで得られる感動を楽しみに撮っているといってもいいかもしれません。
ルール2:カメラは毎日持ち歩く
ストリートフォトは偶然性に委ねている部分も多く、また特別な瞬間というのはいつ訪れるか予想できないためカメラは毎日持ち歩くようにしています。なるべく小型で取り出しやすく、起動も速いのが理想。通勤中やオフの日の移動中でもサッとスムーズに撮影できるよう心がけています。
ルール3:足に馴染んだ靴を履く
ウェアの重要性は注目されにくいですが、ストリートフォトでは足元の準備が重要だと考えています。一日の撮影で10キロ以上歩くことも多く、慣れない靴で撮影に行くと思いがけず疲労がたまったりと、結果に影響が出かねません。新調した靴の場合は撮影前に馴染ませておくようにしています。
ルール4:ジャンルや媒体を越えて
クリエイティブ情報を取り入れる上達には自分と同じジャンルの写真を多く見ることは必要ですが、それに限らず多くの創作情報を取り入れるようにしています。その時はわからなくても、ふとした瞬間に点と点がつながって自分の作風に還元されることがあると思っています。最近では写真展や写真集のほかに、ミュージックビデオ、海外フォトコンの入賞作品や海外の写真家が発信するYouTubeなども見て吸収するようにしています。
ルール5:不調な時期は、好調な時と比較しない
不調な日が続くとどうしても「あの時は良い写真が撮れたのに……」と過去の好調時と比較してしまいがちです。そうなってしまうと、そのギャップに落ち込み、良いサイクルに戻すのがとても辛い作業のように思えてしまいます。そういう時は「まず平均点まで戻す」ことを意識して撮影に臨むようにしています。平均点であれば現在との落差も少なく前向きな気持ちで撮影できるからです。