登山での服装選び

――服装選びは何に注意したらいいですか？
今回の目的地は高尾山ということですが、登山は長く楽しめる趣味なので、2.3年後自分がどうなっていたいか、どういう登山をしているか、どんな山に登りたいかなど、具体的なイメージを持って選ぶようにしましょう。
まず基本ですが、ウェアの構成を「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」の3グループにわけて重ね着し、天候や運動量に応じて着脱することで温度調節を行います。このウェアの性能を引き出す方法をレイヤリングといいます。

アウターレイヤー

――外側のウェアはどんな役割をしますか？
外側のウェアの役割は、雨・風・雪などから身を守ることです。さらに防水・防風性だけでなく、透湿性が重要になってきます。透湿性というのはウェア内にこもった水蒸気を外に逃がしてくれる力です。身体が濡れていると体温をどんどん奪われ低体温症になってしまいますので、防水だったらなんでもいいというわけではありません。
――それ以外にも選ぶ際の注意点はありますか？
気象条件や運動量によって頻繁にウェアを脱ぎ着するため、脱いだ際を考慮しできるだけ軽量・コンパクトなものを選ぶといいですね。

――一般的にアウターといえばダウンというイメージがありますが、登山でも人気なのでしょうか？登山の場合、ダウンでは暑すぎる場合が多いです。真冬の高尾山だとしても、ダウンを着ながら登ると歩いてられないくらい暑くなります。また、天然のダウンは保温性に優れる反面、実は一度汗をかくとなかなか乾きません。
――ではダウンは買わなくても大丈夫ですか？
ちゃんと出番があります。仮にピーク（頂上）まで登ってご飯を食べるとしたら、標高を上げた分、気温が下がり運動を停止するため身体が冷えやすくなります。そこではじめてダウンの出番。それまではリュックの中にしまっておきます。
実はダウンにも質の違いがあります。ダウンは膨らむほど温かい空気を蓄えることができるため、保温性が増します。その質の良さを数値化した単位をフィルパワーといいますが、モンベルの山用でオススメするダウンでは800～1000フィルパワーというのも用意しています。

ミドルレイヤー

――ミドルレイヤーはどんな役割ですか？
さきほどのダウンは休憩用というイメージですが、ミドルレイヤーは中に着ながら行動する行動用の保温着になります。薄手のダウンやトレッキングシャツなどがありますが、フリースが種類も多くあっておすすめです。
――フリースはデザインに以外にも選び方はあるのですか？
フリースは、主に厚みなどによって保温性に違いが出てきます。行く場所か季節によって選ぶといいですね。また、アウター同様、行動時に暑さを感じたら汗をかく前に脱ぐなど、こまめに調整できるといいですね。色やデザインを多く取り揃えていますので、お気に入りのものを選んでください。