Vol.02
ストリートフォトグラファーの三か条

前回紹介したニューヨーク・タイムズの
スタッフフォトグラファー、
トッド・ハイスラー氏。
ピューリッツァー賞受賞経験を持つ
彼から子供達へ、
同紙の月刊子供版の記事
「ストリートフォトグラファーになろう」
で伝授した「三か条」を紹介したいと思います。

前段として
ストリートフォトグラフィーとは何か。
カメラを携え特にプランを立てずに外へ出る。
ポーズを取らせず
ありのままをスナップするのが真骨頂。
しかし、適切な場所に身を置き
時間をかけるのは基本。
そうすれば写真の方から
自ずと姿を現してくるのだと
ハイスラーは説きます。

その上で必要とされる
三か条の一つ目は「忍耐力」。
ここぞと思う光景に出会ったら、
そこに暫く身を委ねてみよう。
完璧にしようだなんてストレスを抱えず、
違うと感じたら立ち去ればいい。
でも、まずは待って成り行きを見守ろう。

二つ目は「ストーリーを探す」。
いい写真にはいくつもの層がある。
そこには背景があり、環境が見えてくる。
顔の表情や仕草、風になびく髪や服、
雲の形、光と陰もある。
何が起きているのか、
もしくは起ころうとしているのか
もっと知りたいと思うような写真は、
ストーリーを語ってくれる。

三つ目は「好奇心を持つ」。
日常の何気ない一コマにも何かを見出す心。
そして、様々な角度から観察する。
光の入り方で色も変わり服の生地が透けて見え、
同じ光景でも変わって見えてくる。

「カメラの初心者であれ経験値に関わらず、
写真のスキルに最も大切なのは好奇心である」
と締めくくるハイスラーの言葉は
子供たちの心に響き、
未来のフォトグラファーを育てるのでしょう。