1月号 「休憩中」岡 祐子(岡山/吉備路写真クラブ)

1月号「休憩中」岡 祐子(岡山)

【選評】祭りが終わった後なのか、一人が缶のドリンク、もう一人はスマホをいじっています。穏やかな空気が流れていて、賑わった祭りとは対照的なこの落ち着いた時間。汗が引いていく穏やかなひと時の穏やかな鼓動を見事に表しています。作者のコメントにあるように、二人が重なり合っているために双頭の竜に見えるのも魅力です。この形の面白さがさらなる魅力につながりました。(ハービー・山口先生)
ニコンD610・AFニッコール28~300ミリ・F5.6・1/250秒・ISO200/笠岡市・9月中旬,13:00頃

 

 

 

2月号 「夏休み」髙木賢治 (大阪/ニッコールクラブ東大阪支部,全日本写真連盟東大阪支部)

2月号「夏休み」髙木賢治(大阪)

【選評】プールを俯瞰したこの作品は、一瞬「え? なんだろう」と思わせる、不思議なインパクトがあります。まっすぐ仰向けに浮かぶ子どもをポイントに、その他の人びとの位置が絶妙なバランスです。またモノクロームにしたことで、水の波紋や光の濃淡が強調され、まるで点描画のようです。まさに見る人を惹きつけてしまう、不思議な力を持つ作品です。(山口規子先生)
ニコンZ 7・AFニッコール24~70ミリ・プログラムオート・ISO800・エプソンSC-PX5VⅡ・エプソン写真用紙クリスピア/大阪市・8月上旬,16:00頃

 

 

 

3月号 「祭り人」喜舎場和広(愛知)

3月号「祭り人」喜舎場和広(愛知)

【選評】祭りの写真は応募が多く食傷ぎみでしたが、視覚的な飽きを忘れさせる凛とした美しさに心揺さぶられました。ライティングが絶妙です。人物の顔をほんの少しだけ見せることで、ミステリアスな気配を醸し出すことに成功しています。奇をてらわず、正面からストレートに撮る思い切りもいい。「シンプル・イズ・グッド」のお手本として推薦にしました。(渋谷敦志先生)
ニコンD810・タムロンAF28~300ミリ・F9・1/640秒・ISO400・エプソンSC-PX5VⅡ・松本洋紙店絹目調/郡上市・4月下旬,9:00頃

 

 

 

4月号 「トレーニング」磯 秀樹(和歌山)

4月号「トレーニング」磯 秀樹(和歌山)

【選評】真正面から至近距離でとらえた画面がストレートでいいですね。トレーニング中の男性が、画面から飛び出してきそうで迫力満点です。背景の手すりがつくる遠近感や、地表にこぼれ落ちる太陽光も作画に味方しています。難をいえばこの男性の顔にドンピシャとピントがきていてほしいところです。ですが迫力ということに注目すれば、ピントが外れていようが他の応募作品の中で群を抜いて強い写真でした。(ハービー・山口先生)
オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ・M.ズイコーデジタル12~100ミリ・F4・1/125秒・ISO500・エプソンSC-PX5VⅡ・ピクトリコプロ セミグロスペーパー/大阪市・8月上旬,11:00頃

 

 

 

5月号 「蝋燭の灯」和田 寛(岐阜/フォトクラブ「城」)

5月号「蝋燭の灯」和田 寛(岐阜)

【選評】祈りの場所では誰もが神聖な気持ちになりますが、この作品はわれ先にと、蝋燭の灯を求める人間の貪欲さが出ていて興味深いです。状況説明のように撮ってしまいがちな場所で、手を大胆に切り取ったことや手の動きを瞬時にとらえた作者の集中力も見事です。画面の色味もバランスよく表現されています。(山口規子先生)
キヤノンEOS6D MarkⅡ・EF28~300ミリ・F10・1/100秒・ISO500・キヤノンPIXUS PRO-10S・コクヨ写真用紙高光沢厚手/岐阜市・1月中旬,13:00頃

 

 

 

6月号 「落日」時津伸一(愛知)

6月号「落日」時津伸一(愛知)

【選評】平和な風景の中に、一見ミスマッチな女性を重ねた構成に、一体何事だろう? という驚きを覚えました。「都会暮らしに疲れた若者をイメージした」というコメントに納得しました。これをいかに可視化するか、それが写真を撮るということです。メッセージが人びとに伝われば、写真家の人生の価値へと繋がります。今後も大いに期待します。(ハービー・山口先生)
ソニーα99・タムロンAF28~300ミリ・F11・1/1250秒・ISO800・エプソンSC-PX5VⅡ・エプソン写真用紙クリスピア/清須市・6月上旬,18:00頃

 

 

 

7月号「祈念」喜舎場和広(愛知/ニッコールクラブ)

7月号「祈念」喜舎場和広(愛知)

【選評】岐阜県海津市の今尾の左義長を撮影した作品。その場の熱量や煙の匂いまで感じられ、臨場感がたっぷりで素晴らしいです。左義長は7割燃えたころ、恵方の方位に倒して吉凶を占うため、必死に倒そうとする1人の男性の情熱もうかがえます。炎舞い上がる祭りでは火に気を取られがちですが、状況を見極めた作者の冷静な目もよいと思います。(山口規子先生)
ニコンD810・AFニッコール28~300ミリ・F9・1/2000秒・ISO800・エプソンSC-PX5VⅡ・松本洋紙店絹目調/海津市・2月上旬,15:00頃

 

 

 

8月号 「さかなや」時津伸一(愛知)

8月号「さかなや」時津伸一(愛知)

【選評】平凡な、なんでもない日常がありがたい。そう思えるのはコロナウイルスの災厄を経験しているからでしょう。街のありふれた風景で、撮った場所は古い木造家屋にある魚屋。そこに主役を張る人物がいるわけではありません。アングルやフレーミングもシンプルで、ドラマチックなことも起きてはいませんが、それでもごく普通の人間が、それぞれの日常を生きていることを想像させてくれるような何かが写っていると思いました。少々感傷が過ぎたかもしれませんが、これも時代がそうさせたのでしょう。(渋谷敦志先生)
ソニーα9・FE24~240ミリ・F11・1/250秒・ISO1600・エプソンSC-PX5VⅡ・エプソン写真用紙クリスピア/愛知県南知多町・7月下旬,15:00頃

 

 

 

9月号 「女友達」岡 祐子(岡山/吉備路写真クラブ)

9月号「女友達」岡 祐子(岡山)

【選評】3人の仲のよさそうな女性が写る何気ない一枚ですが、落ち着いて見ていられるのは構図がよいからです。この作品を縦横それぞれ3分割して線引きし、4つの交点を想像してみると、その一つに主役の人物の顔が配置され、大きな存在感で写っています。そして別の人物を別の交点付近に小さめに写して対比させることで、奥行きとリズムが生まれているのです。「3」という数字は、写真を上達させるマジックナンバーですので、意識してみてください。(渋谷敦志先生)
ニコンZ 6・ニッコールZ 24~70ミリ・F4・1/2500秒・ISO200・エプソンEP-10VA・エプソン写真用紙クリスピア/香川県小豆島町・10月下旬,17:00頃

 

 

 

10月号 「天空のやすらぎ」浅岡由次(愛知/フォトファミリー写心)

10月号「天空のやすらぎ」浅岡由次
(愛知)

【選評】作品を見た瞬間に伝わるインパクトは大切です。この作品は、まず2人のポーズや位置、赤い服などが目に飛び込んできました。さらによく見ると空には月が浮かび、次第に青い空と対比する赤い服や靴の色との組み合わせが絶妙だと気づきます。シンプルな構成の中の非凡とでも言うのでしょうか。実に多くの要素が巧みに散りばめられています。一見簡単そうに見えて、容易には完成しない技術に感心しました。(ハービー・山口先生)
キヤノンEOS Kiss X7i・EF-S18~250ミリ・F5・1/2500秒・ISO400/安城市・3月上旬,17:00頃

 

 

 

11月号 「海岸で練習」井上 悟(三重/全日写連志摩支部)

11月号「海岸で練習」井上 悟(三重)

【選評】楽器の練習をする女の子が光と影の中に1人ずついる構図が、まるでスポットライトを浴びているようなドラマチックな光景です。風が制服と髪の毛を巻き上げた瞬間、スニーカーの黄色と雑草の緑、そしてはにかんだ笑顔がアクセントになって、躍動感とユニークさを感じます。光、風、瞬間の動きなど、すべてのバランスが取れた素晴らしい作品です。(山口規子先生)
ニコンD5500・タムロンAF18~200ミリ・プログラムオート・ISO500/志摩市・4月上旬,14:00頃

 

 

 

12月号 「誰そ彼」喜舎場和広(愛知/ニッコールクラブ)

12月号「誰そ彼」喜舎場和広(愛知)

【選評】誰もマスクをしていないところを見ると、新型コロナウイルスの流行前に撮られた作品でしょうか。なんでもない日常がありがたい、この1年間の審査で何度も思いました。特別な出来事があるわけでもないのに目を引かれる作品で、西日が画面全体に力強さを与えています。さらに、11人の登場人物がそれぞれ別の方向を向いていることで、構図に均衡を生んでいます。中心のジャンプする女の子の右足も宙に浮いていればさらに良かったですが、動きを読み、よい瞬間を撮り逃さない技術はたしかです。(渋谷敦志先生)
ニコンD810・タムロンAF28~300ミリ・F9・1/1000秒・ISOオート・エプソンSC-PX5VⅡ・ピクトリコフォトペーパー/清須市・6月中旬,19:00頃