撮影現場に密着! 
写真ライフを謳歌する若者たちの5ルール

 

写真に夢中な若者たちはかなりストイックだ。趣味が多様化している現代で、彼らはどのような意識を持って写真生活を謳歌しているのか? 1年間彼らの撮影現場に密着し、それぞれが持つ5つのルールを見せてもらう。

山口美桜さん

茨城県出身。この3月に日本写真芸術専門学校を卒業。今後は作品製作や発表に軸足を置いて活動予定。主に上高地や東北の自然風景を撮影している。

 

 

 

 

ルール1:身の回りのことにも興味を持つ

最近は自然風景以外にも東京を撮っています。これまでなら見過ごしていたような光景の中に面白さがあるはずだと、移動中もボーッとしていないで周囲をよく観察するようにしています。気になるものに出合ったときは必ず調べるなど、カメラを持っていないときでも物事をしっかり見ることを意識しています。

写真と出合ったのは高校生の頃。当時、描いていた 日本画の参考にと親のカメラを借りて撮ったのがきっ かけだった。

 

 

 

ルール2:自分の世界に閉じこもらない

写真展や写真集などで人の写真にも触れるようにしています。写真以外にも絵画や映画、絵本も参考にします。そこから刺激やヒントを受けて、写真表現が凝り固まらないように注意しています。

ルール3:成功はラッキー失敗が前提

自分に期待しないということです。失敗して当たり前。そして、失敗しても落ち込まない。成功を追い求めると私の場合、プレッシャーに負けてしまいます。いい写真が撮れたらラッキーぐらいの気持ちで撮影には臨んでいます。

 

 

ルール4:何かのついでに写真を撮る

写真を撮りに行こうという思いが強すぎるといい写真を撮らなければなど余計なことを考えてしまうからです。上高地や東北を訪れることが多いのですが、写真ではなく、その場所を楽しむことを目的にしています。山登りをしたり、トレッキングをするついでに写真を撮 る。あまり思い詰めないように心がけています。

山の中に入ると落ち着く。撮影地までの
移動は夜行バスを活用。現地ではキャン
プ場にテントを張って過ごすことが多い。

 

 

 

 

 

 

ルール5:写真選びは時間を掛ける

撮影後はなるべく時間を空けないで写真を見ます。時間が経ってしまうとその時の思いや感情を忘れてしまうからです。また、写真を選ぶときは1日かけてチェックします。客観的な視点を持つようにしながらじっくり見ていると撮影時はダメだ、いい写真は1枚もないと思っていても案外よく撮れているななど、新たな気づきや発見があります。