撮影現場に密着!
写真ライフを謳歌する若者たちの5ルール

 

写真に夢中な若者たちはかなりストイックだ。
趣味が多様化している現代で、彼らはどのような意識を持って写真生活を謳歌しているのか? 1年間彼らの撮影現場に密着し、それぞれが持つ5つのルールを見せてもらう。

堀川 渉さん

1996年生まれ。長野県伊那市出身。
日本写真芸術専門学校卒業。
在学中に東南アジア11カ国を巡り取材撮影を行う。たくさんの民族が暮らすベトナム北部の山岳地帯に魅了され、現在は村での生活の様子や自然環境を被写体に撮影を行っている。

Instagram:@wataru.horikawa

 

ルール1:土地を荒らさない

険しい地形と厳しい環境の土地で行う農作業。その働きぶりに尊敬の念を抱かずにはいられません。 撮影時は集落の中に入らせてもらう場合がほとんどです。必要があれば、民家の中に入って撮影をします。許可を得ているとはいえ、その土地を荒らさないように細心の注意を払います。撮影させてもらえることに感謝をして、丁寧な行動を心掛けることが被写体に対しての最大の誠意になります。

広大なカルスト地形が特徴的なドンバン地区。
岩と岩のわずかな隙間を耕して作物を育てる。

 

ルール2:記録する

海外をフィールドに活動している以上、目に映るものすべてが新鮮です。毎日新しい風景に出会い、いろんな人々と触れ合う中で、小さな発見や些細な感動をすることがあります。現地で新しく知ったことや、感じたことがあればメモ帳に書き留めておきます。そうすることで、後日、写真を見返す際に当時の記憶をより鮮明に思い起こすことができるようになります。

 

ルール3:体調管理

慣れない土地での取材はいつ何が起きるかわかりません。特に食事や寝床、衛生環境などは日本のそれと異なることが多々あります。お腹を壊したり風邪を引いたりした経験は何度かありますが、全て一人で対処しなければなりませんでした。限られた期間中に体調を崩してしまってはせっかくの滞在が台無しです。常に健康と安全を第一に意識しながら取材を行うようにしています。

 

ルール4:情報収集

ベトナムにはたくさんの山岳民族が生活しています。どの地域に何という民族が分布しているのか、また彼らの風習や伝統とその歴史など、書籍やネット検索を駆使して可能な限りの情報を集めてから取材先へ向かいます。多少の知識があるだけでも現地の見え方は大きく変わります。そして、常に自分の撮影テーマを明確に意識することができるため写真の完成度にも大きく影響します。

 

ルール5:現地の方とコミュニケーションを取る

被写体となるのは自然風景だけではありません。その土地で生活する人々の様子も撮影する必要があります。そのためには、自分自身が彼らの生活の内部に入り込むという姿勢がとても重要になります。村の家族と一緒に食事をし、時にはお酒を飲みながらたわいもない話をすることで、お互いの心の距離が近付きます。円滑なコミュニケーションのために最近はベトナム語の勉強にも力を入れています。

ザオ族という民族の宴会に参加。
幾度か訪ねたことのある村だったので、村の人たちも歓迎してくれた。素朴な味付けの家庭料理は日本人の口に合う。