私にとってのRAW現像

 

【解説、作品:ミゾタユキ】

RAW現像を通じて、現場で感じた「撮りたい」気持ちを蘇らせる

 色や露出、階調など、自分がその場で「撮りたい」と感じた気持ちを表現できるように写真を撮っています。そしてRAW現像では、その時の臨場感や感情の記憶が消えないようにすることを意識して、微妙なニュアンスを大切にして仕上げます。

 自分の表現を保ちつつリアリティを表現したいので、今回はLuminar AIの「編集」機能をメインに使いました。ツールのレイアウトはどれもわかりやすく、調整はスライダーを動かすだけで瞬時に確認が可能。写真のジャンルに合わせて、使ってみたい項目がいくつもあります。ワンクリックで使える「テンプレート」も魅力ですが、「編集」の中に補正機能とレタッチが融合しているので、使いやすさと効果のバランスが絶妙。シンプルな操作で仕上げを楽しみながら、撮影した時の感動が蘇るような気持ちで現像できました。

全体の露出とニュアンスを整える

RAW現像前

ハイキーなトーンのイメージですが、逆光によって絨毯と背景が白トビしないように、少し露出を抑えて撮影しました。

機能①トーンカーブ・プロファイル

「編集」のツールから、基本的な補正機能が揃った「エッセンシャル」にある「ライト」を使用しました。プロファイルはLuminar AIのデフォルトで調整スタート。「トーンカーブ」で中間部を上げてコントラストを落とし、全体の露出を明るくしました。ハイライトとシャドーも少し調整して、完成をイメージした階調にしています。

機能②ソフトフォーカス

次に「クリエイティブ」で描写感のニュアンスを調整。ミラーレスカメラのレンズは自分にとってシャープすぎる印象なので、ここで全体のトーンを整えられるのが嬉しいですね。「光沢」を開き、「ソフトフォーカス」で猫の毛並みが潰れないように気をつけつつ、ソフトな印象に仕上げました。

RAW現像後

前ボケにした黄色をアクセントとして全体的なトーンをより軽やかに、子猫の表情が表にでてくるような優しい印象にしました。

白トビを避けつつ明るい印象に印象に仕上げる

RAW現像前

かわいい子どもの表情を明るく撮りたいけれど、金髪の毛が白トビする一歩手前。こうしたトップライトの時はいつも悩ましく感じますが、後から現像可能な範囲で撮影します。

機能①テンプレートから「ハイキー」を調整

Luminar AIを代表する機能のひとつ「テンプレート」は、表示した写真に合わせてテンプレートをおすすめしてくれるほか、自分のイメージで選び、効果をスライダーで調整することもできます。ここでは迷わず「ハイキー」をMAXにしました。髪の毛はそのままに周り全体が明るくなり、バランスもちょうどよいです。

機能②顔の部分を各種機能で調整

「ハイキー」からの調整だけでも充分きれいな仕上がりですが、さらに顔を中心とした調整で仕上げていきます。「フェイスライト」で顔を明るくして、「アイホワイトニング」で白目の濁りを抑制。そして、瞳がレフ板を当てたような効果になる「アイエンハンサー」を少し効かせて、ナチュラルな印象をキープしながら表情を引き立てました。

RAW現像後

「テンプレート」と「編集」を併用して調整。ワンクリックでハイキーになり、ほんの少しのレタッチ効果で目元の色がわかるぐらい透明感もアップしています。

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Luminal AIはワンクリックで現像ができる「テンプレート」の種類が豊富で、さらにテーマ別に分かれているので、RAW現像が初めての場合は選ぶだけでも楽しいです。専門知識がなくても、簡単に補正とレタッチ・調整ができるのも魅力。さじ加減次第でドラマティックにもナチュラルにも仕上げられるので、現像の可能性が大きく広がります。

 

ミゾタユキ

ミゾタユキ(みぞた・ゆき)

旅先や日常で見つけた情景を作品にしつつ、カメラ誌、セミナー講師、フォトコンテストの審査などを通じて写真の楽しさを伝える活動に携わる。フォトプラネッタ主宰。著書『カメラでパチリ へやねこそとねこ』、ほか共著多数。LONDON INTERNATIONAL CREATIVE COMPETITION 2021 プロフェッショナル SHOOT部門LICC’s Official Selection受賞。

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