2019年度 マンスリーフォトコンテスト 中・上級コース ネイチャーフォトの部

第1位     
朝田理恵(東京/Chakoフォトクラブ、日本写真家連盟)

「妖牙」11月号特選

満天の星空に氷柱という異色の組み合わせです。フィッシュアイレンズを使っているため、絞り開放でも被写界深度が深く、手前の氷から星までしっかりピントが来ていて、気持ちいいですね。この時間にこの撮影ポイントにたどり着くにはそれなりのリスクを伴ったと思いますが、そのかいあってか、素晴らしい作品になりました。ただし、かなり氷柱に近づいているので、十分注意してください。
【選評:菊池哲男】

 

 

 

第2位     
山之内 徹(東京/写団薬師・多摩)

「祈り」2月号特選

立山という信仰の山を舞台に神々しさを感じる作品です。虹彩の量を被った太陽を指差すように突きあげられたケルン(人工的に石を積んだもの)のインパクトが絶大で、何か精神的なものを感じました。なぜか映画『独裁者』でヒトラーにふんしたチャップリンが地球儀で戯れるシーンを思い出しました。技術的にはシンプルな構成の中、月の輪郭を見せるようなアンダー露出にしたのが成功しています。
【選評:菊池哲男】

 

 

 

 

 

第3位     
高橋 清(東京/KJ須山会,JNP東京支部)

「冬彩に憩う」12月号入選

極寒の冬景色の中で、優雅に佇む白鳥たち。森を流れる川の揺らぎと朝日のあたたかな色彩があいまって、寒いはずの景色に体温を感じさせる作品に仕上がっています。1/400秒の速いシャッター速度とF13の深い絞りで、被写体の細部をしっかりと描写し、作品にいい緊張感を与えています。上質な映画のワンシーンを観ているかのような物語性のある写真ですね。
【選評:GTO AKI】

 

 

 

 

第4位     
鈴木 洋(福島/日本
風景写真協会,フォト四樹)

「季の競演」11月号特選

4月下旬、裏磐梯は桜が満開だというのに季節外れの寒気が入ったのでしょう。山の上部は雪が舞い、美しい霧氷が付きました。まさに三寒四温の春を象徴するような季節をまたいだ桜と雪、すなわち春と冬という夢の共演です。それにしてもいい条件に恵まれましたね。霧氷のラインが桜までは降りて来ず、桜に光が差し込んだタイミングでシャッターを押したのも成功しています。
【選評:菊池哲男】

 

 

 

第5位     
三浦裕之(茨城/写団薬師・東京)

「漁火夕景」5月号特選

水が張られた棚田に夕焼けが映るだけでも十分美しい光景ですが、さらにいくつもの漁火が作品に花を添えています。条件としては夕日ということで西に面した棚田で、さらに漁火となると海に面している必要があるので、条件がそろうところはそれほど多くなく、ある程度よく知られた場所ということになります。それだけに天気や時間帯、漁火の数やシャッター時間などの撮影条件にこだわることで、良い作品が生まれました。
【選評:菊池哲男】