2019年度 マンスリーフォトコンテスト 中・上級コース 自由の部

第1位     
小池三智恵(長野/楽々写真会,二科会写真部長野支部)

「達者な友」8月号特選

リラックスした被写体である2人の体勢と表情を見ると撮影者は見事に透明人間となることに成功しています。光も構図も完璧で、おばあちゃんたちのファッションも古く感じず最先端であると思えるほどです。表情も素晴らしいですし、左のおばあちゃんの手の動きや2人の足にすら表情があります。背景のガラスに写ったわずかな青空に爽快感を覚えます。
【選評:元田敬三】

 

 

 

 

第2位     
岡本早苗(徳島/渭東クラブ,NEO)

「花火の日」7月号特選

花柄の浴衣を着て花火見物に向かう少女たち。化粧をして少し大人っぽく見える姿を披露するという密かな目的もあるのかもしれない。夕方の西日に照らされた2人の姿と、高く盛り上がった夏雲と の対比は、青春を謳歌する彼女たちにふさわしい 構図である。向けられたカメラに気付いて一瞬「きっ」となった顔つきが、この年頃の女の子の存在感を示して魅力的だ。
【選評:英 伸三】

 

 

 

第3位     
餘野照彦(大分/全日写連)

「藪」2月号入選

茂った藪の中に光が差し込み、サザンカの赤い色を強調しています。画の中に引き込まれるような作品でずっと見ていても心地よいです。絞りを開放F1.4で撮られています。ということは最終的な画のイメージがしっかりできており、手前から中間、奥へと連なる1枚の写真が持つ多層的な画面構成を理解している方だと思います。素晴らしいです。
【選評:元田敬三】

 

 

 

第4位     
田代 田(愛知/フォトクラブ楽々,東三河写真研究会,全日写連)

「下校時」8月号特選

モノクロームにおける集積された写真の画というものには万人にグラフィカルな眼の快感を与えてくれます。しかも都会では見ることのないヘルメットでの通学風景には時代錯綜とノスタルジックが複雑に交差し写真に力を与えています。白いヘルメット、セーラー服の白、背景の桜の白、自転車のハイライト、高コントラストで見事に整理されています。
【選評:元田敬三】

 

 

 

第5位     
時津伸一(愛知)

「いたわり」11月号入選

手足は写真の中では時には顔よりも強い被写体となります。そこへ男性の日焼けした逞しい手と痛めてしまった女性のか弱い足というマッチングは エロチックでもあり、手当てをするという人間の良心の部分、感情に訴える写真でもあります。見る人に際限なく想像させる一枚は見事です。
【選評:元田敬三】