第1位 堀川 宏(熊本/フォト熊彩)

9月号 特選「ラインアート」

【選評】川面が黄昏色に染まり、点景として添えられたアオサギとの調和が素晴らしいです。スローシャッターにより水流を滑らかに仕上げつつ、横方向のラインを生かすことで奥行き感が生まれました。現場の状況をよく把握しているからこそ、短いチャンスでも的確に対応できています。川辺が静けさに包まれてゆく雰囲気が伝わってくるようです。

C-PLフィルターで水流のラインにメリハリをつけ、さらにNDフィルターを使用し4秒間露光しました。
ペンタックスK-1・D FA150~450ミリ・C-PL,ND8・F16・4秒・ISO100・エプソンPX-H6000・富士フイルム「画彩」プロ・三脚/熊本県和水町・10月上旬,18:00頃

 

 

 

第2位 菅 初雄(愛媛/写心,フォトリーブ)

11月号 特選「大爆発」

【選評】ものすごい積乱雲ですね。この迫力が表現されているのはハイライト部分を少し飛ばして得たシャドー部分の階調。闇雲にコントラストを強くしただけだったらこの迫力は表現できなかったでしょう。また、階調豊かなデータをしっかりプリントで出しているところも素晴らしい! 左の雲とのバランスを考えてもう少し左にふったフレーミングだったら完璧でしたよ。

C-PLフィルターで雲のラインを強調し、モノクロで力強さを表現しました。
ソニーα7ⅣシグマAF24~70ミリ・C-PL・F8・1/640秒・ISO100・エプソンSC-PX3V・コクヨ写真用紙・三脚/西条市・8月下旬,14:00頃

 

 

 

第3位 前田昭人(兵庫)

8月号 特選「光芒一閃」

【選評】雨の日に水気を振り払うことはあっても、光が射し込まなければここまで輝きません。ということは、雨上がりでしかも急に天候が回復して太陽が顔を見せたってことですよね? そう考えるとそれだけでスゴイ! こういうとき鹿の顔にピントを合わせがちですが、 ちゃんと水しぶきにピントを合わせて主題を明確にしています。惜しいのは足首が切れてしまったこと。ここがしっかり入っていれば推薦を争っていましたよ。

牡鹿が草木に付いた雨水をまといながら歩いていたので、身震いするチャンスを待ちました。
オリンパスOM-D E-M5 MarkⅡ・Mズイコーデジタル40~150ミリ・F2.8・1/250秒・ISO800・キヤノンPIXUS XK80・富士フイルム「画彩」プロ/奈良市・9月中旬,9:00頃

 

 

 

第4位 sasakiQ(東京/自然奏フォト)

5月号 特選「道」

【選評】気持ちいいくらい引き込まれてしまう作品ですね。一本の道を通っていくと見えて来る焼けた空という動線、つまり流れがフレーミングでしっかり作られているからです。自然でここまで完璧なシンメトリーが作れる場所ってなかなかないんですよ。ムギ畑ではできても、背景の木々や空がそうでなければ完成できないのです。画面の中が完璧だから、美しい被写体が自然と見えてくるんですね。

この地は、過去の遍歴から全体が人工物に。この道に自然回帰の郷愁を感じました。
富士フイルムGFX 50S・GF23ミリ・PL・F18・1秒・ISO400・三脚・エプソンSC-PX5VⅡ・ピクトリコフォトペーパー/小山市・5月下旬,4:00頃

 

 

 

第5位 亀井秀樹(広島/フォトクラブ「ミスト」)

7月号 入選「寒雀」

【選評】これだけの数が並んだシーンを撮影できたのはスズメにプレッシャーを与えずに撮影したのでしょう。スズメはよく目にしますが、いざ撮影しようとすると意外にも警戒心が強く飛び去ってしまうからです。高速のシャッタースピードを選んでいるので、飛び立つスズメがシャープにとらえられていて画面に静と動が混在するのが素敵です。

丸々と太ったスズメの飛び立ちを期待し、速いシャッタースピードに設定して待ちました。
オリンパスOM-D E-M1X・M.ズイコーデジタル100~400ミリ・F5.8・1/3200秒・ISO3200/鳥取県日野町・1月中旬,12:00頃