新年度2022年の月例コンテストのスタートは10月10日締め切られる分からです。中・上級コース、初級コース、組写真の部、モノクロ作品招待席と部門も多数ありますので、ご自分のスタイルに合ったところへご応募ください。みなさんの作品が毎月のフォトコン誌面を作ります。最高の作品をお待ちしています!

マンスリーフォトコンテスト 中・上級コース ネイチャーフォトの部

前川彰一 1月・4月・7月・10月号担当

模倣ではなく個性ある作品がみたい
 2022年度「ネイチャーフォトの部」の審査を担当することになりました。10年前に審査した頃からの入賞作品を改めて見直してみると少しずつですが自然風景も変わってきていると思います。日本の自然環境も変化し、壊れたり再生したりの繰り返しが現在に繋がっているのでしょう。そこに機材の変化も大きく関わっています。
 その自然を対象にするネイチャーフォトですが、撮影地は今も同じ場所が多く見られます。しかし、写し方や狙い方は確実に変化しています。それは審査する側の選び方ではなく応募する皆さんが変えているからだと気付きました。応募者の感性が自然環境に順応している結果かもしれません。模倣に頼らない、さらに新鮮な作品に期待しています。

前川彰一

まえかわ・しょういち
1947年、東京生まれ。65年に写真を始める。98年、本誌ネイチャーフォトの部年度賞1位受賞。99年、写団薬師多摩設立・主宰。2005年、隔月刊風景写真「リバー サルの部」年間最優秀作家賞受賞。2012年、本誌月例初級コース審査員。最新刊『自然風景攻略ブック』。個展多数開催。写真集は『樹木彩響』『樹木粲粲』『美写炯然』(文一総合出版)など。

辰野 清 2月・5月・8月・11月号担当

主観を掘り下げた作品に期待
 単写真で表現するネイチャー部門の醍醐味は、自然との出会いを素直に再現することに尽きます。しかしそこで感じた思いや興味を加味しながら創作することは、写 真表現の充足につながり独自性の論点になるでしょう。忠実な美しさの背景からは、ネイチャーと言えども形が出会うことで一定の法則に納まらない精神論も生まれていると考えたいです。このような感情を受け入れる柔軟な能力は自己を振り返る能力でもあり、コンテストはその未知の能力を開拓する場所なのです。
 私の審査では主観を深く掘り下げた作品が有利だと思ってください。応募するからには入賞することが最大の目的と考え、選者をうならせる斬新的なパフォーマンスを期待しています。

辰野 清

たつの・きよし
1959年長野県生まれ。インテリアデザイン事業を経営後フリーに。第11回前田真三賞受賞。豊かな構成力と詩情溢れる作風で日本の自然風景の物語性を追求。写真集『凛の瞬』『余韻』、著書『超実践的フィルターブック』など、写真展も多数。(公社)日本写真協会会員、日本風景写真協会指導会員、日本写真家連盟常任講師、自然奏フォト主宰。

古市智之 3月・6月・9月・12月号担当

光を求めて作品づくりをしてほしい
 2017年以来、5年ぶりに中・上 級者コースネイチャーフォトの部を担当させていただきます。この2年、個人の行動は制限され、写真業界もかつてないほどのダメージを受けました。私も県境を超えることはほとんどできず、日帰り可能な近場で撮影するという日々を送っています。もちろん公共交通機関は使わず、単独行動なのは言わずもがなです。限定された厳しい状況の中、皆さんの写真も変わっているかも知れませんがそれも楽しみのひとつです。
 コロナ禍で荒みきってしまった世情の空気を吹き飛ばすような素晴らしい写真を期待しています。そして共に知らしめようではありませんか。不自由な中にも光はあり、だからこそこの世界は美しいのだと。

 

古市智之ふるいち・ともゆき
1967年東京都生まれ。竹内敏信に師事。新聞社の嘱託カメラマン経験後、2013年度キヤノンカレンダー作家に選出されたのを機に本格的に風景写真を撮り始める。第64回全国カレンダー展にて日本印刷産業連合会会長賞。富士山百景写真コンテストほか審査員多数。公益財団法人日本写真家協会正会員。一般財団法人竹内敏信記念財団常務理事。

マンスリーフォトコンテスト 中・上級コース 自由作品の部

榎並悦子 1月・4月・7月・10月号担当

ハラハラドキドキさせてください
 数あるコンテストの中でも、月例コンテストは本当に腕の見せどころというか、過酷な(笑)コンテストだと思っています。年度賞をねらうなら一年間のスケジュー リングも含め、作戦が必要だからです。
 もちろんあれこれ作戦を立てても、月替わりで担当する3人の審査員を毎月唸らせるような傑作を、まずは作品を撮らなくてはなりません。泣いても笑っても一年区切りの勝負となります。1月号から気持ちを引き締めて月例にチャレンジされるみなさんと同じく、私もハラハラドキドキの1年をみなさんと一緒に過ごしたいと思っています。
 とにかく休まずに毎月応募してくださいね。それが大事です!

榎並悦子

えなみ・えつこ
京都・西陣生まれ。岩宮武二写真事務所を経てフリー。「一期一会」の出会いを大切に、人物や自然、風習、高齢化問題などをしなやかな視線でとらえ続けている。 最新刊は『光の記憶 見えなくて見えるもの-視覚障害を生きる』。写真集『Little People』で第37回講談社出版文化賞写真賞受賞。日本写真家協会正会員。日 本写真著作権協会理事。

佐藤倫子 2月・5月・8月・11月号担当

研ぎ澄まされた視点で迫った作品を
 2015年に初級コースを担当して以来、2回目の審査を担当することとなりました。嬉しいです。その当時、皆様の作品を拝見し、私自身がたくさんの写真からいろい ろ学んだことを思い出しました。6年ぶりに戻って参ります。この6年間での私に蓄積された技量が 写真を審査する上で大いに発揮できることと思っております。
 また皆様の作品をたくさん拝見できることをとても楽しみにしております。なかなか自由に撮影できるような状況ではない世の中ではありますが、そのような中でも 研ぎ澄まされた視点を写真に表現された作品が集まることと思っております。
 1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

佐藤倫子

さとう・みちこ
株式会社資生堂宣伝部写真製作部に入社。退社後、フリー。広告写真から作家に転向。佐藤独自のオリジナルな構図でその世界観を切り抜くクリエイティブスナップ作品を都内中心に個展・グループ展を開催、創作を続ける。2021年3月に銀座5丁目THE GINZA SPACE、銀座8丁目吉井画廊で個展「creative snap」同時開催。ニッコールクラブアドバイザー。

秋元貴美子 3月・6月・9月・12月号担当

写真ならではの瞬間を掴んでほしい
 来年度の審査員を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。写真は目に見えるモノを撮って、見えないモノを描き出します。だからこそ、被写体の想い や状況をしっかりと見つめ心の琴線に触れた「何か」をしっかりと表現してみてください。また、被写体に敬意を持って真摯に向き合い、“気づき”にレンズを向け て、素直な気持ちを表現してください。そこにはきっとご自身が写っているはずです。写真は正直です。誠実に向き合えば誠実に現れてくるもの。そして、写った瞬間は、人、街、自然、なんであれ観る者の想像力で無限の広がりを持ちます。そんな「いま、ここ」という芸術=写真ならではの素晴らしい瞬間をお待ちしています。

秋元貴美子

あきもと・きみこ
埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、大学院を経て、同大学勤務。 日本の自然やマルタ島などの都市に生きる人々の心象風景で作品を制作し発表している。また、高校生の写真活動の研究をライフワークとし、<高校写真>サポーターとしても活動している。公益社団法人日本写真家協会会員。

フォトコン・スクール 初級コース 自由の部

鈴木知子

伝わる写真を 楽しみにしています
 2022年度の「初級コース 自由の部」で審査を担当する鈴木知子です。よろしくお願いいたします。 コロナ禍ということもあり、なかなか写真を撮りに行けない方も多いかもしれませんが、写真の上達にはモチベーションを上げることが大切です。私はこのようなタイミングだからこそ、コンテストに挑戦していただきたいと思っています。客観的な評価を受けることによって、今までとは違う思考であったり、表現方法が見えてくるはずです。
 写真は特別な場所に行かなければ撮れないわけではありませんし、今までに撮影した写真を見返すことで新たな発見もあるでしょう。皆さんの想いが「伝わる写真」を期待しています。

鈴木知子

すずき・ともこ
神奈川県横浜市出身。東京工芸大学短期大学卒業後、広告写真プロダクションに入社。柳瀬桐人氏ほかのアシスタントを経験後、コスメやアパレルなどの企業広告を中心に撮影。現在は都市スナップをメインに撮影しながら、雑誌、写真ハウツー書籍の執筆や監修、コンテストの審査、セミナーの講師など、幅広く活動している。

フォトコン・スクール 初級コース ネイチャーの部

平松佑介

発見の楽しさは写真に表れる
 良い写真の条件には色々な要素をあげることができますが、作者の発見の楽しさが伝わってくる作品には素直な魅力が感じられます。 新型コロナウィルスの影響で遠くへ撮影に出かけることが難しい状況が続きますが、身の回りの世界もカメラのファインダー越しに眺めれば、まだまだ新しい出会いがあるはずです。
 一度撮影しに行ったことがある場所も、季節や時間を変えて行ってみたり、いつもと違うルートで歩いてみたりすることで違った表情を見せてくれます。当たり前の日常で発見した出会いこそ、作品 が生まれる最大の好機と考えてください。
 皆様の発見の楽しさが伝わる作品を楽しみにしております。

平松佑介

ひらまつ・ゆうすけ
1978年三重県生まれ。大阪芸術大写真学科卒業後、関西を中心に写真家として活動。主な作品に植物園の温室を撮影した「愉悦の園で」や、大豆の表情を接写した「Soybeans」等。現在は風景と人の関わりをテーマに、海岸線に自生する松の姿を銀塩プリントで展開する。大阪芸術大学写真学科非常勤講師。キヤノンEOS学園大阪校講師。

組写真の部

熊切大輔

コンテストは 写真力アップの場
 2022年度も引き続き組写真の部を担当させていただきます。本年度もレベルの高い作品、ますます楽しみなのはもちろん、さらにパワーアップした作品を期待してお ります。初めて参加される方はそんな猛者の皆さんに物怖じすることなく審査員のジャンルを意識せず、自分らしい被写体とセンスでのびのびとチャレンジしていただければと思っています。
 コンテストに参加するということは様々な意義があります。なぜ自分が入賞したのか、しなかったのか。その時どんな作品が入賞していたのかなどご自身の結果以上にそれが大きな学びとなります。ぜひコンテストという写真力アップの場にご参加いただければと思います。

熊切大輔

くまきり・だいすけ
日刊ゲンダイ写真部を経てフリーランスの写真家として独立。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。スナップで街と人を切り撮った写真集『刹那 東京で』を2018年に発売。「東京動物園」「東京美人景」の三部作で東京の今を撮り続けている。公益社団法人日本写真家協会理事。

 

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