第1位 島尻るりこ(愛知)

10月号 推薦「お手伝い」

【選評】必死にお手伝いしている様子が眼差しや手つきから感じられます。またレンズについた水滴の丸いポケが暗部に重なり、いいアクセントです。子ども写真としては暗めであり、もっと派手な写真を推薦にすべきかもしれませんが、この子はこの先どうなっていくのだろうという内面にまで思いを馳せることができる内容がある写真であり、私の最後の審査における推薦としました。(山岸 伸)

第2位 西原博子(愛知)

11月号 推薦「盆供養の日」

【選評】この作品はびっくりするほどの偶然が重なり合ってできています。人々の位置の絶妙なバランスや視線の方向、雲の形、すべてがこの一瞬に凝縮されており、この瞬間を切り撮った作者の写真判断力を感じます。また盆供養の日で、人々が喪服、つまり黒服を着ている点もこの作品の面白さを強調しています。不思議な瞬間をとらえた素晴らしい作品です。(山口規子)

第3位 朝倉スミオ(愛知)

8月号 特選「浮かぶ風せん」

【選評】光と影のとらえ方が上手です。日陰の中に子どもたちが入っているのに、頭の部分だけに光が当 たっています。子どもたちの影が映る地面では頭が黒く落ちており、この対比が面白いです。風船の色もピンクと青が挿し色となって、画面をよりリズミカル な雰囲気にしています。影の部分が多く、全体的に暗いイメージになりがちなところを風船の色が一気に空気の流れを変えている楽しい作品です。(山口規子)

第4位 時津伸一(愛知)

10月号 特選「仲秋」

【選評】ありそうでない、そんな一枚に惹かれました。というのも実りの秋を迎えた田んぽを画面の下半分、
青空と山並みを上半分にし、実にシンプルな画面構成ですが、そこに傘を差した人物を実に小さく入れています。これがなければ平凡に感じたことでしょうが、小さなアクセントによって風禁のスケール感が伝り、おしゃれさも加わりました。水平がしっかり取れているのも写真に気持ちよさを与えています。(山岸 伸)

第5位 加藤正樹(愛知)

7月号 特選「伊勢神楽の子」

【選評】「伊勢神楽の子」加藤正樹(愛知/ニッコールクラブ愛岐支部)
祭りの日のワンシーン。大人たちは準備で忙しい中、縁側でくつろぐ浴衣の子どもが可愛らしいです。主役をドンと真ん中に置いたことで、祭りが待ち遠しい彼女の気持ちがよく伝わってきます。人物l人を横位置でつくるのってすごく難しいんですよ。しかし、今の時代はパソコンなどの画面で写真を見ることが増えたせいもあり、横位置の写真が多くなっている印象です。大胆な構図で横位置写真をつくりあげたことで、強いインパクトを与えることに成功しています。(山岸 伸)