第1位 坂本健太(埼玉)

6月号 銀賞「秋のクレッシェンド」

【選評】階調の美しいプリントに見惚れました。光芒は「撮らされがち」な被写体ですが、脇役として控えめに配置し、秋の森を主題にした構図が秀逸です。光芒が差す木だけでなく、手前の木を構図に入れたことで、柔らかな光のトーンが際立ちました。苔や黄葉、落ち葉の色合いも調和し、まるで森が静かに音色を奏でているようです。

第2位 植竹ヒロ子(千葉)

8月号 銀賞「趣味に熱中」

【選評】構図の完成度が高く、唸らされた作品です。左上の岩陰に太陽を隠して光条を作り、右下に輝く岩肌を入れて安定感を出しています。右上には形のよい雲を配置し、左下は岩礁の影で画面を引き締めています。主人公の釣り人は小さいですが、中央に堂々と配置して存在感を放っています。朝の海辺の空気感が見事に伝わってきました。

第3位 村上俊之(茨城)

10月号 銀賞「浅春」

【選評】豪快に散った花びらから、昨夜の嵐の激しさが伝わってきます。落ちた花びらはすぐに傷んで黄色くなるため、雨が降り止まない中での撮影が功を奏しました。母を思わせる太い幹が花びらを受け止め、慈しみや優しさを感じさせます。緑がアクセントとなり、右上の水たまりもよい脇役で、雨の風情と奥行きを演出しています。

第4位 岩倉 睦(神奈川)

5月号 銀賞「冬のおさんぽ」

【選評】優しい冬景色に心が温まりました。マガモの親子が並んで氷上を歩き、小さな足跡が趣を添えています。白から青へのグラデーションや曲線が美しく、枯れ枝も丁寧に配置されていることが伺えます。中央の二つの氷紋がマガモと対になっており、バランスがいいですね。瞬時のシャッターチャンスをとらえた完成度の高い作品です。

第5位 岡田尚巳(静岡)

8月号 銀賞「静寂響く」

【選評】画家・東山魁夷の「緑響く」を彷彿とさせるような、幻想的な世界観です。新緑がやわらかい立体感をたたえ、水鏡に静寂を感じます。みずみずしい萌黄色が画面を埋め尽くすなか、アオサギの白色が神秘的に輝いています。視点の先に余白を設けた構図がよく、手前にぼけた葉を入れることで、そっと覗き込んでいるような感覚を抱きます。