第1位 池之上 陽博(北海道)

1月号 特選「氷のハープ」

【選評】これほど大きく筋状になった飛沫氷は珍しいですね。朝日を奥に配置して透けるように写していて、ハープの弦が輝くようでとても綺麗です。レンズ選びもポジション選びもよく、氷の隙間から覗く静かな湖面もしっかり描写されています。画面上には青空に浮かぶ芽吹きはじめた枝、氷や雪の冷たさだけでなく春の気配や生命の暖かさも感じ取れます。こんなに写るのかと驚くほど氷の先の水滴まで克明に、そして全体の色味も自然で朝日をナチュラルな暖色にとらえ、さらにハイライトからシャドウまで上手に表現しています。(三好和義)

第2位 大沼正昭(茨城)

3月号 特選「燃ゆる蓮池」

【選評】大沼さんの応募作の中で、同じシーンをより広めに写した作品もありましたが、中心部に迫ったこちらのほうが、画面に迫力があってよかったです。わずかなフレーミングの違いですが、訴える力に差が出てくるものです。気嵐が湧き立つ蓮池に朝の光が差し込んだシーン。まるで炎がめらめらと燃え上がっているようで、凄みを感じる作品です。日中に見ると単なる枯れた蓮も、このようにシルエットになると形の面白さが引き立ちますね。(吉住志穂)

第3位 加藤みちよ(北海道)

4月号 特選「輝きを集めて」

【選評】星の軌跡と梅という珍しい組み合わせ、そして奥に湖面と雪山を添えて。いい枝ぶりの梅を見つけて広角レンズで北極星を中心に見上げていますが、月明かりだけの暗い中で、よくこのアングルを探し出しましたね。湖面も山も肉眼ではとても見えにくいシーンだと思いますが効果的に配置され、星の軌跡もしかり、目に見えない世界をしっかりと画面構成しています。きれいで自然な色味にプリントできているところもいいです。(三好和義)

第4位 大熊正行(東京)

9月号 特選「夢の中」

【選評】朝の光がサイドから差し込むことで立体感を出し、東京の公園で撮られたとは思えないドラマチックな雰囲気です。サギの後ろにある草に光が当たり、周囲は影で暗いので自然と中心に目が行きます。光の雰囲気はもちろん、サギの落ち着いた佇まいも相まってどこか威厳を感じますね。水面にサギの姿が反射していますが、頭の部分がぎりぎりのフレーミングなので、全体を入れるか、映り込みをカットしてすっきりまとめるのもいいでしょう。(三好和義)

第5位 吉田正男(福島)

6月号 特選「迷走」

【選評】アメリカの荒野を思わせる、目に鮮やかな赤い砂。河口の砂地なので水を含み、日の光が当たるとオレンジ色に輝いています。こうやって見ると何気ない砂の模様も綺麗に感じますね。逆光なのでわずかな凹凸でも影ができ、その影が複雑な模様を描き出しています。まさに自然のアートといったところでしょう。そこに鳥が飛んできて、砂地に影を落としています。羽を広げた瞬間をとらえ、羽の先がオレンジに透けているのも見事です。(吉住志穂)