【パナソニック】LUMIX G99 LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 II ASPH. / POWER O.I.S.レンズキット後藤 聡さん
初めに手に持った印象は、とにかく小さくて軽い。手首や腕が疲れにくいので、1日の撮影時間、移動距離が長くできる分、シャッターチャンスにも恵まれる可能性が高くなる。
操作性は良好で使いやすい。「露出補正」、「ISO」、「WB」の設定ボタンが、シャッターボタンの手前にあり、ファインダーを覗きながら設定変更できる。また、「Q.MENU」ボタンを使い、少ないボタン操作で、主要な撮影条件の変更ができるのは便利。特に使用頻度の高い設定項目は、「マイメニュー」に登録できるので、撮影中の急な変更にも素早く対応できる。「DISP.」ボタンを使えば、各設定項目の説明が表示されるので、説明書を見なくても理解できるのはありがたい。
EVF(電子ファインダー)は倍率が高く、明るくたいへん見やすい。EVFでは設定した露出条件を反映した画像で見ることができるメリットを考えると、もはやOVF(光学ファインダー)にこだわる理由が薄れたと感じる。
AFはパナソニック独自の「空間認識コントラスト方式」で、正確な比較はできないが、像面位相差方式と比べても、合焦速度、精度において不満は感じられなかった。特に「追尾AF」の追従性は良好で、動きの速い電車や動物等の撮影に重宝する。 キットレンズは焦点距離14-140mmが付属している。テレ端での最短撮影距離は50cmでマクロ的な撮影ができボケも美しい。画像は全体に柔らかな描写という印象で、色彩も派手な感じはなく落ち着いた色合いで美しい。
カメラ内RAW現像にも対応しており、その場で現像効果の確認ができる。RAW現像したJPG画像には新しい番号が付与されるが、液晶モニター上では、現像前の画像の次に表示されるので、前後の比較がしやすいのはありがたい。
以上、小型、軽量でありながら、高機能、高画質、かつ使いやすさに各所工夫がみられ、体力の衰えを感じる高齢者にも、今後の写真ライフにワクワク感を抱かせるカメラである。
後藤 聡(ごとう・さとし)
37年間勤務した写真会社退職を機に「NHK文化センター八王子」の写真教室の受講を開始し、写真三昧の生活に入る。主な被写体は、動物、野鳥、昆虫、時々花。使用カメラはNikon D500、D7200、SONY RX10Ⅳなど。