【タムロン】 SP 35mm F/1.4 Di USD 宮本直美さん

 普段からタムロン90mmマクロを愛用させていただいており、柔らかいボケや単焦点ならではのクリアな写りがとても好きだったので、今回応募させていただきました。 撮影してみて最初に驚いたのは、やはり何といっても開放のボケの美しさです。前ボケ後ボケともになめらかで、さすがタムロン90mmのボケを受け継いだレンズという印象でした。



動物園にて、近づいてきたサーバルキャットに「まだ寄れるの?」と思うほどぐんぐん寄ってもピントがしっかり合い、開放f値でも分厚いガラス越しとは思えない描写力で毛並みの質感もリアルに表現できました。

 夜行性動物を含む室内展示では、昼間でもかなり暗いためf2.8のレンズでもISO感度をぐっと上げていたのに対し、f1.4では予想を下回る低いISO感度でも動く動物たちをブレることなく撮影でき、強い照明下でもフレアは気になりませんでした。

 



 植物撮影では、背景とのコントラストの強いシーンでも色収差がほとんど目立たないことに非常に感動しました。あまりに自然な描写だったので収差チェックを忘れていたほどです。写りに雑味がない、そんな印象を持ちました。

 



夜明け前、沖へ出る真珠養殖の船を撮影しましたが、暗い中でもAFに迷いがなく、普段は諦めてしまうような動きのある作業風景も撮影することができました。

 

 肉眼で見ている世界をリアルに切り取ることはもちろん、f1.4という非日常の世界を写し出せるところや、昼夜・天候に左右されないタフな画作りが出来るところもこのレンズの大きな魅力だと思います。そのため旅先やスナップなど荷物を極力減らしたいときもこれ1本あれば何とかなると思わせてくれる、とても万能なレンズだと感じました。




 当選通知を見たときは大変驚き、長引くコロナ禍での作例撮影ということもありプレッシャーも感じましたが、いざカメラを構えるとレンズの写し出す世界に夢中になり、このレンズで次は何を撮ろうかとこれまで以上にカメラライフが楽しくなりました。  貴重な機会を与えてくださりありがとうございました。

 


宮本直美(みやもと・なおみ)
会社員。動物園写真クラブ愛媛 所属。魅力あふれる動物たちを撮影するため休日は動物園に通う日々。公益社団法人日本写真協会写真の日コンテスト入選、愛媛県美術館友の会美術展 最高賞友の会大賞受賞、愛媛県立とべ動物園写真コンクール グランプリ受賞等