第1位 今 明美(北海道)
【選評】心憎いまでに見どころ満載で、最後の最後まで推薦候補だった作品です。桜と子どもと鯉のぼり、まずはそちらに気をとられる場面ですが、水たまりの映り込みに気づき、ローポジションでタイミングを狙ったのはさすがですね。ワイドレンズの使い方も見事で花びらをより印象的に見せています。そしてなんと水たまりの中では鯉が花びらをくわえている! 何度見ても唸ってしまう傑作です。(榎並悦子)
キヤノンEOS80D・EF-S10〜22ミリ・F16・1/125秒・ISO200・エプソンEP-4004・ピクトリコプレミアムフォトグロスペーパー/札幌市・5月上旬,13:00頃
2位 岡本早苗(徳島)
【選評】木の板の道に伸びる小さな影たち、可愛らしい黄色い帽子たちが散って行きます。声が聞こえてきそうな素敵なワンシーンです。そんな中、一人が見事な転び方をしてしまった一瞬をとらえています。よく見ると右の子が気づいています。撮影者同様、「あっ」と思ったことでしょう。画面上部中央の先に消失点を持ってくるような構図にしたことで視線の誘導があり、動感あふれる作品になっています。(秋元貴美子)
ニコンZ 6Ⅱ・ニッコールZ 24〜200ミリ・F7・1/400秒・ISO100・エプソンSC-PX1V・ピクトリコセミグロスペーパー/徳島市・3月下旬,10:00頃
第3位 山崎秀司(兵庫)
【選評】撮影会で撮ったと知って驚きました。よく撮られたシーンではない何かオリジナルな場面を狙っていたのでしょう。顔が見えず力強く屈んでいる海女さんと、手前に赤々と燃える炎との組み合わせ、とてもインパクトがあります。また、頭に付けているゴーグルの存在が大きく、ドキッとさせる一枚となっています。(佐藤倫子)
ニコンD300・AFニッコール16〜85ミリ・1/500秒オート・ISO400・エプソンPX-5500・エレコム写真用紙/志摩市・9月中旬,14:00頃
第4位 時津伸一(愛知)
【選評】高校野球、扇風機、一家団欒からお盆休みが想像され、穏やかな日本の夏の一コマです。ご両親と女性たちは赤ちゃんを見ていて、若い男性陣は興味なさそうにしていますが、子育て経験者と女性は小さな子を見るとき瞳孔が開くのだそうで、好きなもの、守るべきものを本能的に知っているのだとか(もちろん例外はあります)。そんなことがわかるような一枚です。その話題の中心である赤ちゃんを画面の中央手前にして、お母さん、ご家族、台所と、画面を4段構造にしたことで、奥行きも出て情報が整理されてわかりやすくなりました。(秋元貴美子)
ソニーα99・AF24〜105ミリ・F11・1/60秒・ISO1600・エプソンSC-PX1V・エプソン写真用紙クリスピア/塩尻市・8月中旬,14:00頃
第5位 若林 茂(静岡)
【選評】はてさて、障子を貼り替えているのか穴を空けているのか、見ているこっちも自然と笑みがこぼれます。幼子を抱っこしてお話に花が咲くお母さんたちはシルエットで描かれ、そんなお母さんをよそにひとり障子剥がしに興じる女の子の目、口元、指先が印象的です。実際には障子の向こう側がどうなっているのかはわかりません。だからこそ、まず目がいく影絵は、もしかしたらこの子の記憶の中の存在なのではないか? とも見えてきて、ドラマのワンシーンのようです。(秋元貴美子)
キヤノンEOS7D MarkⅡ・EF-S18〜200ミリ・F14・1/640秒・ISO640・キヤノンPRO-S1・キヤノン写真用紙絹目調/伊豆の国市・12月下旬,12:00頃