第1位 天満厚子(静岡)

3月号 銀賞「祈り」

【選評】背景を暗くすることで、人物の横顔とともに線香の煙をしっかりと浮かび上がらせています。画面の上側に空間を作ったことで、煙が印象的に感じられますね。ただアスペクト比が中途半端な点が気になりました。画面右側の頭の部分をカットして、縦のラインをいかした3:2などの比率のほうが、祈る思いや緊張感が強調されます。

ニコンD850・AFニッコール28〜300ミリ・F5.6・1/1600秒・ISO1000・キヤノンTS8330・エプソン写真用紙絹目調/東京都台東区・12月中旬,11:00頃

第2位 岸田 緑(兵庫)

11月号 銀賞「光と遊ぶ」

【選評】縦位置構図にしたことで高さや緊張感が強調され、動きが伝わる切り取りになっています。画面上部にある斜めの影が、猫の目線の先と角度がリンクしている点も面白いです。斜めのラインはリズム感のある写真になります。タイトルにぴったりだと感じました。網戸がフィルターのようになっている点も、作品の魅力です。

キヤノンEOS R7・RF18〜150ミリ・F4・1/1000秒・ISO320・キヤノンPIXUS PRO-10S・富士フイルム「画彩」光沢プレミアム/加古川市・8月,7:00頃

第3位 上甲成俊(大阪)

12月号 銀賞「シャワー」

【選評】このシーンは水遊びでしょうか、打ち水でしょうか。広がる水飛沫は躍動感があり、とても印象に残る作品です。よいタイミングをとらえていますね。被写体になっている人物の表情が自然で、何気ない日常のワンシーンを上手に表現しています。またモノクロにしたことで、ノスタルジックでもあり、幻想的にも感じられます。

ニコンD5200・シグマAF17〜50ミリ・F11・1/800秒・ISO1600・エプソンEP-807AR・エプソン写真用紙クリスピア絹目調/大阪府能勢町・8月上旬,16:00頃

第4位 坂本ツルカ(北海道)

1月号 銀賞「炎の番人」

【選評】この作品は炎と雪の対比が魅力です。燃え上がる炎は迫力があります。炎で風景が揺らいでいて、写真から熱が伝わってくるようです。また主題である人物の背景を水面の反射にしたことで、存在感が強調されました。気になる点は、白く飛んだ反射によって炎が途切れて見えるので、対岸の風景はフレーミングしないほうが良いでしょう。

ニコンD750・VR28〜300ミリ・PL・F8・1/500秒・ISO1000・エプソンPX-5V・エプソン写真用紙クリスピア/北海道洞爺湖町・1月中旬

第5位 川口保幸(千葉)

12月号 銅賞「シャッターチャンス」

【選評】ドラマチックな夕焼けに出会えましたね。タイトルの「シャッターチャンス」を、しっかりとものにされました。波打ち際の斜線、また放射状にのびる雲の先に富士山のシルエットがあり、自然と視線が誘導されます。人物の位置もよいのですが、足元の地面がぎりぎりになっています。もう少し余裕が欲しかったですね。

ニコン Z6Ⅱ・ニッコールZ 14〜24ミリ・F5.6・1/125秒・ISO100/藤沢市・5月下旬,19:00頃