第1位 佐藤哲哉(大分)
【選評】深い森の中で切り倒された大木と切り株をとらえた作品です。雨上がりだからでしょうか。濡れた切り株の表面が光を反射して、しっとりとした質感が美しく描写されています。レンズの広角域を用いて切り株を大きく写しつつ、周囲の環境をバランスよく対比したことで、森の中の空気感が伝わってくるような臨場感が生まれました。
ニコンZ 5・ニッコールZ 24~200ミリ・C-PL・F9・1/8秒・ISO1000・三脚・エプソンEP-50V・エプソン写真用紙クリスピア/由布市・6月中旬,15:00頃
第2位 小泉秀城(香川)
【選評】朝日を受けてオレンジ色に輝く霧氷の様相を、ダイナミックに切り取った作品です。できる限り下向きにカメラを構えたことで、近くの霧氷の造形がデフォルメされ、徐々に赤く染まる谷側へと視線が誘導される不思議な世界観となっています。タイトルの「珊瑚の海」も、見る側の錯覚を上手く誘導するアイデアにあふれています。
オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ・Mズイコーデジタル7~14ミリ・F7.1・1/250秒・ISO100・キヤノンPIXUS ip8730・キヤノン写真用紙光沢ゴールド/西条市・11月下旬,7:00頃
第3位 島根八重子(長野)
【選評】枝先まで真っ白に霧氷をまとった木立が湖に映り込んだ幻想的なシーンです。画面をシンメトリーで構成することで、風景を唇のように見立てたタイトルも素敵ですね。冴え渡る寒さを表現するために、周囲を少し暗く落とし込んで霧氷の白さを強調するとともに、早朝のブルーのトーンを利用したのもよい判断でした。
キヤノンEOS5D・EF24~105ミリ・F4・60秒・ISO100・三脚・キヤノンPIXUS PRO-100S・富士フイルム「画彩」プロ/長野市・12月上旬,7:00頃
第4位 佐藤晴美(三重)
【選評】 美しく咲き誇るヒガンバナを一輪、望遠レンズで前後のボケを表現して静謐な印象に仕上げた一枚です。花は画面に対して小さくとらえていますが、構成要素をギリギリまで切り詰めて、見る側に強い印象を与えることに成功しています。また、主役を中央に配置したことによって、ストレートで力強い仕上がりとなりました。
キヤノンEOS Kiss X7i・タムロンAF16〜300ミリ・PL・F5.6・1/350 秒・ISO400・キヤノンPIXUS PRO-100S・ピクトリコセミグロスペーパー/津市・9月下旬,11:00頃
第5位 林 知枝美(岡山)
【選評】真っ直ぐこちらをにらみつける鷹の視線が、緊張感を伝える作品です。ナンキンハゼの白い実が風景に彩りと季節感を与えていますね。また、鳥の姿を画面少し上に据えたことで、見下ろす視線の力強さが強調されています。わずかに中心が左に寄っていますが、この作品では中央を利用して構成したほうがよかったでしょう。
キヤノンEOS R5・EF600ミリ,1.4X・F6.3・1/1250秒・ISO3200・三脚/岡山市・1月中旬.16:00頃