第1位 中道ちあき(和歌山)

1月号 推薦「盛夏」

【選評】陽に焼けたおしゃまな少年のキャラクターがいいですね! 濡れてカールした髪、サングラスに映り込んだフェニックス、背景の入道雲など、海辺の素材を写し込んだ盛夏のワンシーンが明快なフレーミングで切り撮られたインパクトのある作品です。写真は写された内容がよいのはもちろんですが、納得のいくプリントに仕上げることで作品となります。この写真は美しいプリントに仕上げられていて、撮影者の作品づくりへの真摯な姿勢がうかがえます。(林)

第2位 朝倉スミオ(愛知)

4月号 推薦「回想」

【選評】ガラスに映りこんだ虚像と実像が入り混じった、おぼろげな白日夢のようです。「回想」というタイトルからして、作者もそんなインスピレーションを感じられたのではないでしょうか。写真は個人の主観が知覚したものの表現です。作品が見る人の心に共感を呼んだ場合、それはいい作品と言えるでしょう。この作品はハレの場面ではなく、舞台裏の何気ないシーンを明確な狙いで撮られた、作者の集中力がうかがえる余韻の残る写真です。(林)

第3位 時津伸一(愛知)

6月号 特選「ひょっとこ」

【選評】まさに、これぞ“瞬間的スナップショット!”という写真ですね。自撮りの瞬間、ひょっとこが自慢の口を突き出し、思わず迫られた女性の表情が抜群です。背後の人々の表情も気持ちが現れていて素敵です。広角で思い切って寄ったローポジションからの構図も素晴らしく、寄りの広角の効果を生かし背景描写まで瞬時に計算して仕留める……作者は超一流のスナップシューターと言えるでしょう。(藤村)

第4位 皆川春奈(愛媛)

9月号 推薦「視線」

【選評】これはやられました! 隙間から覗く眼、自分でセッティングしたものではなく、配達された状態でこうなっていたとは、すごい偶然ですね。よい被写体に出会ったときに、どのように作品に仕上げていくか。大胆にポストを切り取り、覗く眼を目立つように配置し戸を開ける手を入れる、この効果は絶大です。単にポストだけを狙っていたのでは、このようなよい作品にならなかったでしょう。イメージして、作品を仕上げる。この、とても大切なことが実践できている証拠です。(藤村)

第5位 嵯峨勘左ヱ門(静岡)

3月号 推薦「透視めがね」

【選評】強烈なインパクトから心が引き込まれる作品です。印象を強くしたいがために要素を増やしすぎてしまう失敗はよく見かけますが、シンプルかつ大胆、どストレートに飛び込んでくる写真は目を引きます。この子は何を見ているのか。カメラを構える人の心を心眼でとらえたとでも言いたげな虚ろな視線、普段絶対にしないであろう指の形、半端な化粧。すべての要素が不自然。そんな不自然に調和をもたらせているのがモノクロームの仕上げと思い切った寄り。非常に強い作品です。(藤村)