第1位 辻 慶二(高知)

4月号 推薦「生命の起源」

【選評】何を被写体にして、どのように撮影したらこんな写真になるのだろう……なにもかもわからない不思議な組写真です。ただ、とにかく面白い作品で、あまり見たことがない写真であることは間違いなく、タイトルにあるような本来写せない遥か太古の世界さえも写してしまっているところに大きな驚きを感じました。選考後に作者から何をどう撮ったのか種明かしの情報をいただいたのですが、本当に身近にあるなんでもないものを被写体として、合成や大幅な加工などもせずに撮られたものでした。作者の視点の鋭さはもちろんのこと、写真が表現できることの可能性の広さにもあらためてワクワクした、とても素晴らしい作品です。

第2位 石津武史(奈良)

2月号 推薦「暴れ獅子」

【選評】まさに組写真ならではの表現! と思わせる作品です。スクエアで切り取られた一枚一枚の写真はそれぞれ人間の動きを軸にしっかり見応えある写真として成立しているのに、四枚を並べてみるとひとつの獅子が浮かび上がってきて、それがかなりの精度で繋がっています。あらかじめよく考えてから撮影をしないと、後からでは絶対にこうはならないでしょう。人の動きだけを見ても起承転結を感じられるバリエーションもあります。また、人物の顔が見えるのと見えないのを半々にしたのは、組写真全体としてはバランスがよいと感じました。

第3位 松島眞知子(静岡)

10月号 推薦「丸」

【選評】非常にわかりやすいテーマ。それでいて各作品の視点の面白さや品質はとてもレベルが高いのがたまりません。誰でもよくわかるけれど、誰にも真似できない……まさに推薦にふさわしい作品だと感じました。作品をハイレベルに仕上げるために二つの工夫がされています。まず①や④のクローズアップで一部分を切り取った写真を入れたこと。それでもどんな動物かがしっかりわかる、いい切り取り方ができています。よく見ると大きな動物ほど、より一部分の切り出しになっています。尻尾に注目しているから当然といえば当然ですが、それによって動物の縮尺が実際の大きさと比例しているのもいいですね。そしてもうひとつは動物の向きです。左右バランスよく、そして左右左右と交互にリズミカルな配置も飽きさせません。