第1位 平井正一(東京)

11月号 銀賞「優美」

【選評】流れをスローシャッターでとらえたことで水の動きが柔らかく繊細に表現されています。滝壺をどこまで入れるかよく吟味されたことが伝わります。ヨコ位置でとらえ左右の岩肌を入れたことで、上から下、左右へと空間が広がっています。上部に黄色く色づいた葉が入り、季節感も出ています。

第2位 大沼正昭(茨城)

4月号 金賞「霧湧く蓮池」

【選評】朝方の気温の低い時期に見られる、けあらしの様子。まず作品を見た瞬間に、グッと引き込まれるような力強さがありました。画面いっぱいに大きく写すことなく、湖面に残る冬枯れのハスの姿を少し遠景にとらえバランスよく画面に配置した点と、画面上下が暗く落ち込むことで真ん中のハスが浮かび上がってみえるフレーミングが高評価。立ち上る霞の薄いオレンジのグラデーションがハスを包み込むような柔らかい雰囲気を表現していていいですね。

第3位 北澤 進(東京)

1月号 金賞「共演」

【選評】レンゲショウマと蜘蛛の巣、付着した水滴がとても美しい風景です。花を左側に、水滴のついた蜘蛛の巣を右側に、2つの世界がとてもバランスよく配置されています。放射線状に伸びていく蜘蛛の巣を右下から配置しているのも、被写体をよく観察していないとできないでしょう。望遠で背景を大きくぼかしたことで、主役が浮かびあがっています。背景の色味をブルーに統一したことによりシンプルで爽やかな印象にまとめたのも高評価につながりました。

第4位 髙野寧司(千葉)

11月号 金賞「飛翔」

【選評】滝とツバメ、そして虹の様子をシンプルに力強く表現、画面を滝と虹で半分ずつに構成した潔さも魅力です。ツバメは自在に空を飛びまわり、スピードもあるのでイメージしている場所になかなか来なかったかもしれません。そんな中、何枚もタイミングを見ながら撮影されたのでしょう。自分の表現したいイメージを大切にされ、ちょうど羽を広げたツバメが写っている作品をセレクトされたことでダイナミックな表現につながっています。

第5位 永山弘恵(福島)

5月号 金賞「哀華」

【選評】花のフォルムに着目した、とてもインパクトの強い作品です。アンダー目の露出にしたことで妖艶な雰囲気を醸し出しています。花びら一枚一枚が違う形をしていて自然の生み出す世界がとても美しいことが感じられます。思い切って花びらだけに特化したフレーミングにしたことが功を奏しました。花びらの中には雨水が溜まっているとのことですが、この明るい部分があることでより被写体に立体感がでました。