20代で写真を楽しんでいる人たちはどのような写真生活を送っているのか。SNSなど、本誌読者とは少し違ったフィールドで活躍する若者たちに迫る。
登場した人に、次の人を紹介してもらうリレー形式で行っていく。

第2回 藤 貴広(@TakahiroToh)

写真歴 : 4年
1992年生まれ。東京在住。主な被写体は都市夜景とスナップ。都会が魅せる人々の営みと日常に潜む情緒的な後継を求めシャッターを切る。座右の銘は「強い写真」。
所有機材:ニコンD4s、F3T/ライカQ/富士フイルムX-Pro1
 
今や日本を代表する観光名所となりつつある渋谷のスクランブル交差点を空撮。煌めくネオ
ン、行き交う人々、路地裏の雑踏……。空から見下ろすこの美しい混沌こそが人間の営みそ
のものではないでしょうか。
 
 

写真をはじめたきっかけは?

ディズニーで写真を撮りたくて一眼レフを買ったことです。その後夜景撮りに移っていったのは、小学校の途中まではオーストラリア、その後は静岡県で育ったため、上京してはじめてみた東京の町に衝撃を受けたためです。特に展望台などから見る夜景は美しくも人々の営みが感じられ、あっという間に魅了されました。そのときの感覚をいまだに持ち続けています。

どんな写真生活?

夜の町を制限なく写せる空撮が好きですが、結構な金額がかかるので頻度は少なめで、あとは夜景とスナップを撮っています。趣味なので、疲れたりして嫌になりたくないと思い、写真との距離感を保つよう意識しています。遠征にも一切いきません。それよりも寝ていたい、お酒飲みたいなどという気持ちが勝ります(笑)。

写真に対するこだわり

夜景だと展望台など、場所が限られてしまう場合が多いので、人と違う写真を撮ることを意識しています。とはいえただ違うのを撮ろうという考えが先行しすぎるとよくないとも思い、自分が好きなものを自由に撮るようにしています。写真にのめり込んだ理由の一つに、「自由さ」があったためそれを常に心がけています。

コンテストの楽しみ方

コンテストには積極的に応募していますが、特にコンテストを意識した撮影をすることはありません。あくまでも趣味として写真があり、自分の好きな写真を応募して、それが入賞したらいいなという考えです。ずっとスポーツをやってきたので、競技的にとらえると、自分がいままで撮りためてきた作品を選者にぶつけるという感覚です。

マナーの悪さに警鐘を鳴らす

最近はカメラマンのマナーの悪さも気になっています。周りの若手には呼び掛けていますが、立ち入り禁止の場所に入ったり、花を折ったり……。またスポーツを例に出すとドーピングやルール違反で勝利を得るようなもの。人よりいい写真を撮りたい気持ちはすごくわかりますが、ルールの中で競い合いたいものです。ルールや制約があるからこそ、その中で工夫することで良い写真が生まれることもあるのではないでしょうか。