20代で写真を楽しんでいる人たちはどのような写真生活を送っているのか。SNSなど、本誌読者とは少し違ったフィールドで活躍する若者たちに迫る。
登場した人に、次の人を紹介してもらうリレー形式で行っていく。

第3回 中澤圭佑(@kei7474)

写真歴 : 2年半
1992年、神奈川県生まれ。普段は言語聴覚士を生業としている。2016年にフルサイズカメラを購入し、風景写真に没頭。日本の四季や富士山などを撮影しながら、まだ見ぬ絶景を求めて活動している。
 
所有機材:ソニーα7Ⅲ
富士山はすっきり見えるに越したことはない。しかし、長時間露光をすることでまた違った一面も見えてきます。この写真は富士山にまとわりつく雲があってこそ一つの作品になりました。

写真をはじめたきっかけは?

カメラを持ったのは2年半ほど前。当時は気軽に写真を楽しんでいましたが、転機となったのは、天の川と富士山が撮れる「新道峠」に友人が連れて行ってくれたことでした。しかし、機材が揃っておらず思うように撮れなくて悔しい思いをしました。その数日後、フルサイズのカメラと大口径の広角レンズを手にリベンジし、そして今に至ります。

絶景の浪費をしない撮り方

同じ場所に同じ時にいたら誰が撮っても同じ写真になってしまうことが多いですが、それはナンセンス。特にSNSの文化の中だと、それが顕著に表れている気がします。定番の場所に行ったら、定番構図からどう脱却するのか、一回考えることが必要です。自分がどういう視点で撮りたいのか、そのプラスαを意識して撮影しています。

なぜ写真にハマるのか

ぼくは写真を撮る前に、絶景を体感するのが好きなのですが、カメラをやっているからこそ、行ける場所ってありますよね。きっと撮影目的でなければ山にも登らないし、氷点下の湖にも行かないし。カメラのおかげで素晴らしい景色を肉眼で見ることができる、ということに尽きますね。春は桜、夏は花火……などと、四季を味わえるのも魅力です。

ネイチャー写真の魅力を拡散したい

絶景を前にすると、悩んでいることがちっぽけに思えます。ぼくはその絶景によって心が洗われる感覚をいろいろな人に知ってもらいたいと考えていて、SNSで同行者を募集したり、現場で出会った人と一緒に行ったりしています。その感動がまた誰かに伝わって……そうやってネイチャー好きを増やしていきたいです。

今後の目標

SNSではフォロワーも増えて、ある程度見てもらえるようになったので、紙媒体に目を向けています。写真展、写真集も作りたいですね。最近デジタルだと写真をうまく使い切れないと感じる部分があり、例えばポストカード1枚でも誰かの記憶に残るような写真を届けたいと思うようになりました。少しづつフィールドを広げていきたいです。