SIGMA PHOTOGRAPHY in 琴平
フォトコン2025年1月号
協力:株式会社シグマ
文:藤田 健(写団KEN主宰)
ズームに頼りすぎず、自分の足で動いて構図を見つけます。手前の光の当たる店先から、奥まった日陰の店内まで、細部をしっかり描写できました。
軽快なカメラとレンズで理想の構図を見つけられる
私のスタンスとして、作品の構図は自分の足で動いて決めるように 努めています。ズームレンズの操作は便利ですが、頼りすぎると構図 に妥協が生まれやすいもの。その点で、今回使った17mm F4 DG DN | Contemporaryは、私の撮り方にぴったりだと感じました。
fp Lも、ずっしりとした質感や、シンプルで高級感のあるデザインが 魅力的で、普段使っているカメラと比べても、違和感は感じませんで した。カメラ・レンズともに、素晴らしい撮影体験ができたと思います。
藤田 健
シグマレンズで魅力あふれる金毘羅宮を撮影!
藤田健さんが講師を務め、香川県中部を中心に活動する 写真クラブ「写団KEN」。今回は総勢21名の方々に シグマ製のカメラ・レンズをお使いいただき 2日間の撮影会を開催しました!
ーーー参加者作品ーーー
講評:藤田 健
【毎度ありがとうございます】斉藤賢一さん
F値の絞り込みにより遠景も比較的シャープに見せており、背景までよく考えて撮られていると感じました。被写体に撮影を意識させたような演出も面白いですね。自然な雰囲気のパターンも見てみたいと思いました。
【仲良し】田羅間カトリさん
姉弟でしょうか? 子どもの仲睦まじい、微笑ましい場面です。文字の入った被写体は目を引くため、部分的にカットすることで主張を弱めることができます。
【整列】梶田和幸さん
面白い被写体を見つけました。ただ、画面上部が明るすぎる点が気になります。写真は表現したい被写体に光が当たっていることが基本です。
【たっぷり飲むぞ!!】後藤敏樹さん
被写体に寄ったことでインパクトのある作品になりました。三分割構図に忠実な配置も気持ちいいです。周辺の被写体の主張がいずれも強いので、視線が自然と主題へ向かうような工夫があるとなおいいですね。
【航海引き受けます】細川美恵子さん
整列描写が魅力の作品です。こうした作風はポイントを作ると見違えるので、パターンの中に一点だけ違う要素を入れるなど、変化を加えてみてください。
【記念撮影】田中恵子さん
梶田さんと同じ題材です。こちらは背景がはっきりと写り過ぎているのが気になります。ボケ感の美しい明るいレンズなので、絞りを開放にしてぼかすか、あるいは人物の一部をカットするなど、背景処理にも気を配りましょう。
【歓びの酒】渡邊雅春さん
後藤さんと同じ題材です。やはり周辺に目を引くものが多いため、広めにとらえたことで女性の存在感が弱まりました。アングルや背景処理を工夫することにより主題を強調しましょう。
【琴平五人百姓】木村光夫さん
安定した魅力的な構図で撮影しています。金刀比羅宮の五人百姓を写した作品では、これが今までで一番だと感じました。
【初秋の参道】木俣満穂さん
露出をアンダーに振ることで影を主題として成立させた魅力的な作品です。欲を言えば金刀比羅宮の雰囲気が伝わる作品も見てみたかったです。
【休息】阿川洋一さん
カフェの店内を逆光を活かしたシルエット描写で美しく見せています。テーブル上のドリンクがアクセントになっていますが、もう少し主張の強いものが置いてあるとさらによかったと思います。
【神馬(しんめ)】宮本研二さん
一見邪魔そうに見える木の柵が、面白さを生んでいます。可能であればもう少し右から撮って、馬と少女だけで構成できると良かったでしょう。
【おじゃまします】窪田克己さん
マクロレンズにより、抜群のシャッターチャンスで撮られたスナップ写真です。障子のマス目や格子の奥に見える提灯がいい雰囲気ですね。文字の散らばりが気になるので、印象を弱める配慮が必要です。
【語らい】原 克好さん
女性に差した日の光がまるでスポットライトのようです。しかし人物より手前の不要な箇所にも光が当たって目立ちます。あらゆる場所に注意を配りましょう。
【雨後】原田美智子さん
水流をスローシャッターでとらえた優しい雰囲気の作品です。せっかくの白い流れが途中で途切れているのが惜しいと感じました。中央の木の枝はないほうが良いと思います。
【参道】古河美弥子さん
人物を右寄りに配置したことで、この人の行く先が詰まっているような、ユニークな構図になりました。人物の様子も魅力的ですね。
【雨上る】神原孝吉さん
ダイナミックに寄ってとらえたキノコです。ボケ感が非常に美しく、色調もうまくまとまっています。強いて言えば、画面内にアクセントになるものがほしいところです。
【至福のひととき】中畑小夜子さん
こちらのカフェ写真も雰囲気があります。ただし広くとらえすぎたことで散漫な印象に。主題を絞り込んでうまくまとめたいところです。
【姉妹】日浦嘉孝さん
面白い場所を見つけました。しかし左の盆を端まで入れたことでバランスが崩れてしまったようです。端まで見せないよう、途中でカットするとよいでしょう。
【鞘橋】平井殻志さん
朝6時に、日の出の光景をとらえた力作です。完成度の高い作品ですが、もう少し右側を詰めて写すとさらに良くなると思います。
【富士が迎えてくれた】子川 隆さん
爽やかな晴天が見ていて気持ちいいです。ポイントは中央にある“讃岐富士”ですが、主題とするには若干小さすぎるようです。目立つ通行人を入れるなど、テーマを切り替えるのも一つの手段です。