目次

▼2022年 ▼2021年
1月号 <熊切大輔>
第12回 スキャン作業がどんどん楽しくなる!
2月号 <藤村大介>
第1回 SilverFastって何?
2月号 <吉永陽一>
第13回 現代でも欠かせないフィルムスキャン
3月号 <藤村大介>
第2回 ワークフローパイロットを活用しよう
3月号 <吉永陽一>
第14回 幅広く活用できるワークフローパイロット
4月号 <藤村大介>
第3回 ストレスから解放してくれる キズ・ホコリ除去機能
4月号 <吉永陽一>
第15回 高品質な画像を生成できるマルチエクスポージャー
5月号 <藤村大介>
第4回 階調豊かな再現性 マルチエクスポージャー(多重露光)機能
5月号 <山口規子>
第16回 SilverFastの機能を最大限に生かすHDRi RAW機能
6月号 <清水哲朗>
第5回 原版に忠実な色を再現してくれるキャリブレーション機能
6月号 <山口規子>
第17回 SRDxとGCCで手軽にゴミ除去・色補正!
7月号 <清水哲朗>
第6回 SilverFast ならではの機能を生かせる HDRi RAW
7月号 <山口規子>
第18回 自動画像アジャストで簡単・高性能な画像補正
8月号 <清水哲朗>
第7回 これは使える!NegaFix機能とは?
  9月号 <清水哲朗>
第8回 過去の作品が甦る
  10月号 <熊切大輔>
第9回 早急なフィルムサルベージを!
  11月号 <熊切大輔>
第10回 SAC(シングルアーカイブコマンド)とJobManager機能
  12月号 <熊切大輔>
第11回 退色した作品を色あざやかに蘇らせる
   

 

 

第18回 自動画像アジャストで簡単・高性能な画像補正

[写真・解説] 山口規子

数回のクリックで作品がよみがえる!

 SilverFastを使い始めたころは、1枚1枚のスキャンニングが楽しくて時間も忘れるほどだったが、ふと現実に戻ると、スキャンしなければならないポジフィルムが山積み。そこで、さらに便利で使いやすい機能を発見した。その名も自動画像アジャスト。数回クリックするだけで、色かぶり、ハイライト、シャドウなどを自動補正してくれるという優れものだ。
 フィルムでの撮影は、デジタル画像のように後処理ができないので、同じ被写体を露出を変えて数枚撮るのが常。しかし撮影現場の状況によっては、ハイライトが白トビしたり、シャドウが黒くツブれたり、光源に合わないフィルムタイプで撮影したりしてしまうこともある。そんな写真も、この機能を使うと驚くほど綺麗な画像に生き返る。項目は「オート」のほか、「風景」「ポートレート」「夕景」「雪」「夜」など16種類があり、撮影状況に合わせた自動補正が可能。「スキン」「ドキュメント」「ニュースペーパー」「ゴールド」など、ちょっと遊びたくなる項目があるのも面白い。


モーリシャスの高級リゾート「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」で、冷たいおしぼりを持ってきてくれた笑顔の素敵な女性スタッフ。もとは完全に露出アンダーだったので(左写真)、自動画像アジャストをクリックすると、見事に彼女の笑顔が浮かび上がった。

 

 

【自動画像アジャスト】

本機能のアイコンは、画面上部にあって見つけやすい。アイコンを長押しすると、機能の中にある撮影状況に合わせた項目がずらっと表示され、写真に合わせたものを選んでクリックすると自動で補正してくれる。処理は素早く終わるので、見逃さないよう注意!

 

 

『SilverFast SE 9』
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[写真・解説] 山口規子
やまぐち・のりこ
東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。近著に旅と写真の『トルタビ~旅して撮って恋をして~』(小社刊)など。

 

 

第17回 SRDxとGCCで手軽にゴミ除去・色補正!

[写真・解説] 山口規子

スキャニングの重要な作業をソフト内で完結

 スキャンニングで一番困るのが、スキャン時に付着するゴミや、フィルムに付いてしまった傷だ。ブロアーで注意深くゴミを払っても多少残ってしまうし、傷は一度付くとどうにもならない。それらをスキャン後にレタッチしようとすると、膨大な時間を要するのが現実だ。
 しかし、SilverFastのゴミ・傷除去機能「SRDx」を使えば、それも簡単に行える。まず「マークする」をクリックすると、ゴミや傷の場所を特定し、色を付けて視覚化。続いて「補正する」をクリックすれば、自動的に除去してくれるのだ。修正箇所の色は、画像の色味と違う補色を自由に選択できるのもありがたい。
 さらに「グローバルカラー修正(GCC)」機能を使えば、タングステンフィルムで撮影した写真をデイライトへ変更するなど、自分の作品をイメージに近づけるための色補正ができる。組写真など、作品全体のトーンを合わせたい時に大いに役立つ機能だ。ゴミや傷の除去と色補正という2つの重大要素をスキャン時に解決できるのは、もはやスキャンソフトという概念を超えていると感じた。

イタリア・フィレンツェの夜景を「SRDx」と「GCC」の機能で仕上げた。夜空の部分に付いたゴミは特に目立つが、「SRDx」を使えば修正箇所を目立つ色でマークし、数クリックで簡単に除去できる(左写真)。

 

 

【GCC(グローバルカラー修正)機能】

色補正機能はメーターを左右に動かして調整するものが多いが、GCCは白を中心とした円の中で動かして調整する。色を微妙にミックスして補正したい時に便利なうえ、操作性も機敏ですぐ可視化できるのでわかりやすい。今回はオリジナルに少しマゼンタを加え、さらに奥行きを表現してみた。

 

 

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[写真・解説] 山口規子
やまぐち・のりこ
東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。近著に旅と写真の『トルタビ~旅して撮って恋をして~』(小社刊)など。

 

 

 

第16回 SilverFastの機能を
     最大限に生かすHDRi RAW機能

[写真・解説] 山口規子

スキャンデータを劣化させずに編集が可能

 フィルム作品を大量に持つ身としては、作品を素早く、かつ忠実な再現性でスキャンしたい。そして、そのデータを自由に修正・プリントできるのがベストだ。とはいえ、一般的にスキャンデータはJPEGでの保存であり、地道にスキャンしても満足のいく結果は得られないかも……と思っていたところで、SilverFastと出会った。
 SilverFastではJPEGやTIFFに加え、「HDRi RAW」機能によってRAWデータ(.dng形式)での保存が可能。これによってデータの劣化を気にせず、表現に合わせた調整がいくらでも行える。また、今までゴミの除去や色補正などは、スキャン後に別のソフトで行う必要があった。その点でもSilverFastは、「iSRD」などのゴミ・傷を除去する機能、「GCC(グローバルカラーコネクション)」をはじめとした色補正機能を搭載しており、スキャンしたRAWデータをソフト内で修正できるので大変便利だ。
 途方もないフィルムの山を前にして悩む中、明るく差し込む光となってくれたSilverFast。使うほどにスキャンが楽しくなっていく、便利で味わい深いソフトだと感じた。

スペインのコルドバにある世界遺産メスキータ寺院は、イスラム教とキリスト教に影響を受け、ゴシック、ルネッサンス、バロックなどが混在している珍しい建築だ。ホルダーを用いて作品をセットし(右写真)、「HDRi RAW」機能によってRAWデータで保存・修正。年月とともに劣化するフィルムは、RAWデータで残しておきたい。

 

 

【HDRi RAW機能】

パソコンの画面でソフトを立ち上げ、左上のヤシの木の絵が描かれたHDRのアイコンをクリック、48ビットHDR RAWを選択する。スキャンした画像はSilverFastで自在に調整が可能なほか、スキャン時のフラットな状態にも戻すことができる。SilverFastの性能を最大限に生かすなら、ぜひオススメしたい機能だ。

 

 

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[写真・解説] 山口規子
やまぐち・のりこ
東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業後、文藝春秋写真部を経て独立。女性誌や旅行誌を中心に活動。透明感のある独特な画面構成に定評がある。近著に旅と写真の『トルタビ~旅して撮って恋をして~』(小社刊)など。

 

 

第15回 高品質な画像を生成できるマルチエクスポージャー

[写真・解説] 吉永陽一

階調豊かな仕上がりフィルムをスキャン

 Silverfastには数多くの便利な機能があるが、中でも高品質な画像の生成に役立つのがマルチエクスポージャー機能だ。この機能は、画面内の縦のバナーにある「ME」というアイコンをクリックすることで起動可能。これをオンにすると、フィルムのスキャンを連続して2回行ってデータを取り込む。
 通常のスキャニングでは、フィルムの階調全てを一度で取り込むことはできない。そこでこのマルチエクスポージャー機能は、1回目でハイライト部、2回目でシャドー部の階調を取り込み、1枚の画像を生成する。それによって、通常のスキャンよりも豊かな階調の画像データができるのだ。せっかく作品を保存するならば、明暗差のあるカットも、色の階調が豊かで高品質なデータとして表現したい。マルチエクスポージャー機能によるスキャンは、決して時間のかかる煩わしい作業ではなく、高品質で作品を保存する大事な機能だ。この機能はオフにすることもできるが、ぜひそのままで作業してほしい。

JR四国予土線江川崎駅停車中の0系新幹線を模したキハ32形「鉄道ホビートレイン」を、6×6版カラーネガで撮影。上写真はマルチエクスポージャー機能をオンにした画像、右写真はオフにした状態の拡大画像だが、比較すると車両部分の階調が豊かになっている。マルチエクスポージャー機能は、常にオンにしておいて損はない。

 

 

 

【マルチエクスポージャー機能】

フィルムを2回スキャンすることで、明るい画像領域と暗い画像領域のデータを取得する機能。ダイナミックレンジが広がって白トビや黒ツブレが生じにくくなり、ノイズも低減される。注意点は、2回のスキャン中にフィルムが動かないようにすること。フィルムはホルダーに固定するなどしておくと安心だ。

 

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[写真・解説] 吉永陽一
よしなが・よういち
東京都出身。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へフリーランス登録。十数年前から鉄道空撮に取り組み、個展「空鉄(そらてつ)」や書籍など数々の空撮鉄道写真を発表する。学生時代から続ける、6×6や4×5での鉄道情景・廃墟撮影もライフワーク。

 

 

第14回 幅広く活用できる
        ワークフローパイロット

[写真・解説] 吉永陽一

初心者から上級者まで幅広く活用できる

 フィルムのスキャン作業は、使用するソフトによって機能や効果が違うため、使いこなすにはある程度の慣れが必要になる。その点でSilverFastには、一連の流れに沿って機能を活用し、簡単に実行できるワークフローパイロット機能がある。画面左上にある飛行機の赤丸マークをクリックすると、青丸に変化してすぐに起動可能だ。
 この機能を使うと、4発ジェット旅客機のアイコンが画面上に表示。その動きに合わせて、順を追うようにスキャン作業を進められる。まず「送信元」でフィルムの種類を選択。次に「タスク」でどんな作業に重点を置くか選ぶことで、利用できる作業が6~8項目に変化し、それぞれを微調整することもできる。
 私は初見の製品に触れて慣れるのに時間がかかるタイプだが、この機能は感覚的に作業がこなせ、すぐに慣れたのが嬉しかった。仕上がりも決して簡易的ではなく、ゴミ取りや色補正もできて「使える一枚」が完成するのだから、この機能は初心者から上級者まで十分に使える、SilverFastならではの魅力といえるだろう。


広島電鉄車庫内で、動態保存の被曝電車156号を許可を得て撮影。補正をせずに保存した左写真と比べ、上写真は自動画像補正で暗部を明るく、さらに「GCC(グローバルカラーコレクション)」と「SCC(選択カラー修正)」で暖色系を強調している。

 

 

【ワークフローパイロット機能】

フィルムタイプの選択から補正、保存データ形式の選択まで、SilverFastの各機能を流れに沿ってわかりやすく操作できる。各機能はどれも高品質だが、私の一押しは埃・キズ除去処理機能の「iSRD」だ。スキャン画像を拡大して確認しつつ、検知バーを操作すると処理する部分を色付きで視覚化が可能。手動での除去も柔軟に行える。

 

 

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[写真・解説] 吉永陽一
よしなが・よういち
東京都出身。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へフリーランス登録。十数年前から鉄道空撮に取り組み、個展「空鉄(そらてつ)」や書籍など数々の空撮鉄道写真を発表する。学生時代から続ける、6×6や4×5での鉄道情景・廃墟撮影もライフワーク。

 

 

第13回 現代でも欠かせないフィルムスキャン

[写真・解説] 吉永陽一

過去の記録として貴重になりうるフィルム作品

 私は学生時代からフィルムカメラを使い続け、現在でも中判と4×5のカラーネガで作品制作をしている。ワークスペースにはネガファイルが並び、フィルムのスキャン作業は日常的だ。また、私は鉄道を被写体にするため、過去に撮り貯めた作品をアーカイブとして使用することがある。鉄道や航空機といった乗物の写真は、保存していた過去の一枚が貴重な資料となりうる。
 いまやデジタルが主流となり、フィルムやプリントを郵送することが減った代わりに、スキャナーとソフトを用いてフィルム作品をデジタル化して「送信」することが当たり前となった。
 以前撮った何気ない作品でも、月日を重ねたいま見返すと、その一枚がみるみるうちに生きてくることがある。それを生かすためにもスキャンは欠かせない。ホコリなどのゴミやフィルムの退色、色味などは、SilverFastのような高精細なスキャニングソフトで調整し、より良い一枚をデジタルで保管するのだ。
 過去の一枚を再び檜舞台に上げるためにも、フィルムスキャンの作業はこれからも必須である。


(上写真)2006年11月に空撮した、新潟車両センターのポジスキャン。今となっては懐かしい車両が写っている。

(左写真)札沼線新川駅付近の、札樽自動車道とクロスする箇所を2006年7月に空撮。ここも現在は電化されている。

 

 

【スキャン作業の大幅な効率化】

フィルムは収納袋に収納し、なるべく温度の安定した部屋へ保管。これらの作品はまだ退色は見られないが、今後を考えて早めのスキャン作業が必要だと感じている。SilverFastを導入したことで、ホコリの修正や詳細な補正、DNG変換によるAdobe Lightroomでの作業など、効率が大きくアップした。

 

 

 

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[写真・解説] 吉永陽一
よしなが・よういち
東京都出身。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へフリーランス登録。十数年前から鉄道空撮に取り組み、個展「空鉄(そらてつ)」や書籍など数々の空撮鉄道写真を発表する。学生時代から続ける、6×6や4×5での鉄道情景・廃墟撮影もライフワーク。

 

 

第12回 スキャン作業がどんどん楽しくなる!

[写真・解説] 熊切大輔

眠っていた名作を呼び覚ます多彩な機能

 これまで3回にわたって、SilverFastのさまざまな機能を使い、その魅力をご紹介してきた。どれを取っても効率的で快適、そしてスピーディーに操作し、高品質なスキャンを行うことができる。正直なところ、これまでは「煩わしい」「めんどくさい」という印象があったスキャニング作業が、SilverFastによって大きく覆された。
 フィルムで写した情景をどれだけ正確に蘇らせるか。最初は画像を撮影当時の印象に戻すイメージでスキャンを始めたが、SilverFastを使うなかでそれが変わった。撮って現像したその時のクオリティから、さらにワンランク上げて残すことができる可能性を感じたのだ。色褪せや無数のホコリなどのせいで諦めかけていた作品が、多彩な機能を重ねることで、より強力に「Re:Birth(リバース)」、つまり生まれ変わっていくのである。そうなると「あの作品も、この作品も……」と、スキャンがどんどん楽しくなり、眠っていた名作が目を覚ますことに繋がるかもしれない。
 SilverFastは、そんな写真の新たな可能性を感じさせてくれるソフトだと強く感じた。

    After

Before
修正前の画像(写真左)と、マルチエクスポージャー機能を適用した画像(写真上)。この機能を使うと洋服の黒や背景のグレートーン、天井画の明るいヌケの良さなど、スキャンだと出にくい部分の階調が豊かになった印象だ。

 

 

【マルチエクスポージャー機能】

SilverFastの中で、特に素晴らしいと感じた機能のひとつ。フィルムはスキャンするとコントラストがつき、黒ツブレが起きやすい。マルチエクスポージャー機能を使うことで、通常のスキャン画像に明るめにスキャンしたもう一枚の画像を重ねて、シャドウ部の黒ツブレを抑えてくれる。

 

 

 

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フォトコン1月号 読者プレゼント:SilverFast SE 9を1名の方にプレゼント! 詳しくはフォトコン1月号253ページをご覧ください。

 

[写真・解説] 熊切大輔
くまきり・だいすけ
1969年東京生まれ。報道写真の現場を経てフリーに。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影。また、東京を中心にスナップで街と人を切り撮る。(公社)日本写真家協会(JPS)理事。

 

 

第11回 退色した作品を色あざやかに蘇らせる

[写真・解説] 熊切大輔

記憶どおりの色をスキャン時に再現する

 フィルムを長期保存するとしばしば起きるトラブルがビネガーシンドロームだ。フィルムが加水分解して変形や溶解が起き、作品の再現が不可能な状態になってしまう。それ以外にも、経年による退色など、フィルムの長期保存では避けられない現象が必ず起こってくる。退色したフィルムはセピア色の思い出……と言えば聞こえはよいが、できれば撮影当時の色をしっかり取り戻したい。スキャンの時点でそれを解消できる機能が、SilverFastの「GCC(グローバルカラーコレクション)」と「SCC(選択カラー修正)」だ。
 GCCを使えば、画像全体のカラーバランスを整えられる。さらにSCCを使用すると、画面内の特定の色をあざやかに強調できた。また、重度の色褪せが起き、記憶にある色も定かでない場合は、SCC内のACR(カラー再生適応)機能が有効だ。調整スライダーで効果を見ながら使用できるので、露出オーバーで色乗りが浅くなってしまった画像にも効果を発揮してくれた。どちらも、「色が戻れば作品は蘇る」ということを強く実感できる機能だ。

After

Before
修正前の画像(左写真)から、まずは全体の色かぶりなどをGCCで補正する。さらに、特長的なキャラクターの足などの赤の発色を、SCCであざやかに再現してみた。最終的に色分離のよい、キレのある描写を復元できた(上写真)。

 

 

【GCC(グローバルカラーコレクション)】

画面全体のカラーバランスを整える機能。色褪せた写真は、記憶にある色とズレが生じる。そうした変化をナチュラルに復元できるのが魅力だ。

 

 

 

 

【SCC(選択カラー修正)】

特定の色を選び、それだけを直感的にコントロールすることができる機能。色褪せが大きい場合は、SCC内のACR(カラー再生適応)機能で、撮影時の色を再現できる。

 

 

 

 

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[写真・解説] 熊切大輔
くまきり・だいすけ
1969年東京生まれ。報道写真の現場を経てフリーに。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影。また、東京を中心にスナップで街と人を切り撮る。(公社)日本写真家協会(JPS)理事。

 

第10回 SAC(シングルアーカイブコマンド)と
                                                      JobManager機能

[写真・解説] 熊切大輔

大量の作品を高品質でデータ化する

 膨大な量のフィルム作品を1枚1枚スキャンするのは、大変な労力と時間がかかる。目当てのカットが絞られていればよいが、最初は貴重なアーカイブになりうるカットがどれになるかは判断しづらいだろう。まずはすべてのカットをPCに取り込んでからじっくり整理し、必要なカットを丁寧に仕上げていくのが理想だ。
 そんな作業を簡単かつスムーズに処理してくれるのが、SAC(シングルアーカイブコマンド)とJobManager機能だ。SACは6枚×3列など、大量のフィルム作品を取り込めるのだが、まずそのスピードに驚いた。「スピードが早いとデータが粗くなるのでは?」というイメージがあったが、スキャンしたデータはとても高品質だ。スキャンしたフィルムは、JobManager機能でコマごとに設定が可能で、一気に処理・読み込みができる。
 煩わしい手間をかけなくても、高速かつ高品質にデジタル化が進められる点が、とても魅力的に感じた。

学生の時に撮ったスナップ作品を、SACとJobManager機能でデータ化した。闇に輝くレトロな列車は、コントラストが強すぎたので調整。DNG(RAW)データでも取り込めるため、現像でさらにつくり込むことができる。

同じくデータ化した、レスキューのたくましい後ろ姿を写した作品。空にはかなりたくさんのゴミが付いていたが、見事に除去してくれた。

 

 

【SAC(シングルアーカイブコマンド)】

起動から、わずか数クリックでスキャンが完了する機能。条件ごとに最適化されたプリセットを選べば、元のイメージを損なわないスキャニングができる。

【JobManager機能】

スキャンデータの読み込み時、コマごとに処理を設定できる機能。特にポジフィルムは適正露出の作品ばかりではなく、コマによって多少ばらつきが出ることがある。そこでヒストグラムなどを微調整し、複数のコマに適用できる。

 

 

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[写真・解説] 熊切大輔
くまきり・だいすけ
1969年東京生まれ。報道写真の現場を経てフリーに。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影。また、東京を中心にスナップで街と人を切り撮る。(公社)日本写真家協会(JPS)理事。

 

 

第9回 早急なフィルムサルベージを!

[写真・解説] 熊切大輔

過去のフィルム作品が美しくよみがえる

 コロナ禍の昨今、新たな撮影に出かけられずもどかしい日々を送っている方も多いだろう。そこで皆さんに勧めているのが、過去作品のサルベージ(再発掘)だ。高温多湿の日本では思っている以上にフィルムの劣化が進みやすく、気がつかないうちに肉眼では見えないカビが付着してしまう可能性もある。フィルムをサルベージするには、データ化するためのスキャナーと、それを動かすソフトの選択が重要になる。
 スキャニングソフト「SilverFast」を使えば、フィルムで保存している名作を、簡単かつ高品質にスキャンすることができる。私はこれまで、カメラと専用のツールで1枚ずつフィルムをスキャンしていたが、大量の作品を扱うには効率的ではなかった。そこでSilverFastを導入してからは、高品質かつスピーディーなスキャンが可能となり、ストレスなく作業をできるようになった。
 学びや経験値を積み上げてきた皆さんの写真技術とセンスは、フィルムで撮影していた当時から大いに進化していることだろう。そこで今、過去の作品を今の技術でしっかりとよみがえらせる良い機会が訪れたのではないだろうか。


過去のフィルムでは褪色は避けられないが、SilverFastを使うことで簡単に当時の色味がよみがえる。上の写真は空の階調や色味がしっかりと再現され、左の写真では青のトーンや暗部まで描き出してくれた。色の再現性や精度の高さには驚かされる。

 

 

【フィルム作品のアーカイブ化】

写真家であった父の大量にある作品のアーカイブ化も、現在進行形で取り組んでいる。多くの作品を取り込んでいるが、SilverFastを導入したことで、作品のスキャンから画像処理、汚れやホコリの修正まで、作業を高品質で行えるようになった。

 

 

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[写真・解説] 熊切大輔
くまきり・だいすけ

1969年東京生まれ。報道写真の現場を経てフリーに。ドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影。また、東京を中心にスナップで街と人を切り撮る。(公社)日本写真家協会(JPS)理事。

第8回 過去の作品が甦る

[写真・解説] 清水哲朗

「隠れた名作」を見つけ出す

 写真を撮るのは楽しい。良い写真が撮れた時には心が満たされ、すぐにでも誰かに自慢したくなる。しばらくするとそれでは飽き足らず、次の刺激を求めてまた新たな撮影にでかけてしまう。それはそれでひとつの写真の楽しみ方だ。
 その一方で一度も日の目を見ることなくお蔵入りしてしまった作品はどれだけあるのだろうか。写真整理は面倒で苦手な人も多いが「隠れた名作」を見つけ出す喜びがある。SilverFastを手に入れて以来、ポジやネガなどの過去の作品をスキャンしては撮影当時の記憶を呼び起こし、自分なりの名作発見に繋がっている。
 今取り掛かっているのは四半世紀前の写真学生時代のモノクロネガ。被写体との距離感や構図、現像ムラなど当時の自分に物申したいことはたくさんあるが、長時間寝かせたことによる街の変化、活気、人々のファッション性などに味わいが生まれ、どれも貴重なシーンに見えてくるから面白い。露出失敗のネガもスキャンやRAW現像時に修正可能。フィルム銘柄を変更して印象を変えてもいい。暗室のない自分にとってSilverFastは過去作品に光を与える希望のツールである。

学生時代、初めての雪撮影は露出アンダーなネガになった上に現像ムラもあり、暗室で苦労してプリントした記憶がある。SilverFastを使えば、露出、中間トーン、コントラストもあっという間に修正可能。HDR9を使ってのRAW現像時にグローバル色補正でセピア調仕上げも簡単にできる。

 

 

【新たな発見を楽しもう!】

防湿庫やファイルボックスには学生時代からデジタルカメラに移行するまでのフィルム作品(ポジ&ネガ)が多く眠っている。当時と現在では「セレクトする目」が違うため、今見直すと新たな発見がある。SilverFastでデジタル化することで新しい表現が生まれるかもしれない。

 

 

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[写真・解説] 清水哲朗
しみず・てつろう

1975年、横浜市生まれ。
23歳でフリーランスとして独立。
独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。
個展開催多数。

第7回 これは使える!NegaFix機能とは?

[写真・解説] 清水哲朗

フィルムごとの発色特性を自動的に再現

 ネガフィルムはラチチュードが広く、豊かな階調が得られるメリットがある。独特のやわらかさはプリント表現向きである。
しかし、見た目で「忠実の色」を確認できるポジフィルムとは違い、反転されたネガを見ただけでは基準となる色はわからない (同じネガでも写真店によって発色のまるで違うプリントに仕上がった経験はないだろうか)。
そこで便利なのが SilverFast の「 NegaFix 」機能。
メーカー( 日米欧の14社 )、 フィルム銘柄、ISO感度を選択すれば、フィルムごとの発色特性が自動的に再現される。あとは画面を見ながら明るさ (露光量と許容誤差) 調整すれば基準色に悩まずにスキャンできる。
「 NegaFix 」はカラー、モノクロどちらのフィルムにも対応しているので、基準色だけでは物足りない、もっと自分好みの色に仕上げたいという人はあえてメーカーやフィルム銘柄 、ISO感度を使用フィルムとは違ったものを選び、発色をアレンジするのも楽しみ方の1つと言えそうだ。

 窓辺にフィギュアを置き、ピンホールカメラで撮影した宇宙船のイメージ。
光量不足により周辺が落ちるのは想定内で、それを活かすべく中央に主題を配置した。基準色の判断が 難しいネガフィルムでも SilverFastのNegaFixを使えば、フィルムの特徴を生かした色で取り込める。

 1997年 モンゴル初訪問時にニューマミヤ6で撮影したモノクロフィルム作品。
写真集ではセピア調に仕上げたが NegaFixによるクールな仕上がりもなかなか良い。どんな用紙にプリントしようかと想像するだけでスキャン作業も楽しくなる。

【NegaFix機能】

「メーカー・フィルム銘柄・ISO感度」を選択することでフィルム銘柄に応じた発色が自動的に再現される機能。カラー、モノクロどちらのフィルムにも対応。仕上げをさらに追い込みたい人はRAWデータ(.dng)で保存し、LaserSoft Imaging社製ソフトで開けば「NegaFix」のパラメータ変更が可能 。iSRD、SRDx 同様、他社ソフトでは使えない。

 

340種類以上のスキャナーに対応! 購入・ダウンロードはこちらから!
https://www.silverfast.com/photocon-web

フォトコン8 月号 読者プレゼント:SilverFast SE 9を1名の方にプレゼント! 詳しくはフォトコン8月号247ページをご覧ください。

 

[写真・解説] 清水哲朗
しみず・てつろう

1975年、横浜市生まれ。
23歳でフリーランスとして独立。
独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。
個展開催多数。

 

第6回 SilverFast ならではの機能を生かせる HDRi RAW

[写真・解説] 清水哲朗

スキャン時のデータを劣化させずに再現像が可能

 「スキャン時に仕上げまで追い込むか」「スキャンと仕上げを別工程にするか」はユーザーにとって大きな問題だ。スキャン時に仕上げまで追い込めれば作業工程も少なくて済むが、確固たる完成イメージがなければ予期せぬ着地点になることもある。作業効率を考えれば黙々とスキャンをし、後でSilverFastにあるパラメータを変更できたら最高なのだができるのだろうか。
 そんな悩めるユーザーにおすすめしたいのが「HDRi RAW」だ。前回カラーターゲット(別売)を使用した結果、色への信頼度が絶大となり補正を加えずに「ポジ忠実」の色が得られたとお伝えした。その状態でHDRi RAW保存すれば、カメラのRAW撮影同様スキャン時のデータを保持、劣化させずに再現像が可能になる。スキャン時のニュートラルなイメージにいつでも戻れ、再スキャンの手間も省けるので使わない手はない。SilverFastでしか使用できないiSRD、SRDx、NegaFixなどのツールを活用し、イメージを微調整したり追い込んだりと別イメージに表現したい人はHDRi RAWの利用価値はかなり高い。

6×7のポジ作品をスキャンし、RAWデー タで保存。SilverFast HDR9を使い、現像時にイメー ジを追い込んでいく。ポジ忠実にスキャンしたが、夕 方の赤みを帯びた色はグローバル色補正でモニタ ーを見ながら感覚的に修正、現像した。

少年が草むらに飛び込み手づかみでマ ーモットを捕獲。彼にとっては遊びの1つだ。オーソ ドックスなポートレートだが、日の当たるマーモットの 毛並みと帽子の影にある少年の顔の露出は輝度 差があるため現像で追い込んでいく。傷や埃は 「iSRD」で再度表示、適宜補正した。

 

HDRi RAW機能

アナログデータ(フィルム、プリント)をRAWデータ(.dng)変換したもの。SilverFast でスキャンするとスキャナのICCプロファイルが自動的に埋め込まれ、傷や埃を除去する赤外線データ等も含まれる。SilverFast HDR9等のLaserSoft Imaging社製ソフトでHDRi RAWを開けば現像で全てのパラメータ変更も可能。ただし、他ソフトで開くと一部制限や手動設定が必要になる。

 

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[写真・解説] 清水哲朗
しみず・てつろう

1975年、横浜市生まれ。
23歳でフリーランスとして独立。
独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。
個展開催多数。

 

5回 原版に忠実な色を再現してくれるキャリブレーション機能

[写真・解説] 清水哲朗

「色」への絶大な信頼度

 スキャン作業における最大の不安は「色」。ユーザーが求めているのは原板に「忠実な色」が得られるかであり、明るさやコントラスト調整、ごみ取りはあくまでその先にある仕上げ作業でしかない。
 試用段階ではSilverFastは感覚的に使いやすく優れたソフトだなと思っていたが「色」への不安はメーカー純正ソフトと同様だった。しかし、カラーターゲット(別売)でキャリブレーションを行なった途端、SilverFastへの信頼度は絶大となった。階調再現(多重露光)のマルチエクスポージャー(ME)、キズ・ホコリを自然に除去してくれる「iSRD」「SRDx」を使用するストレートスキャンで「忠実な色」 が得られた。これは凄い

【Before】

【After】

「りんごほっぺ」と澄んだ瞳、正月用の新しい民族衣装が印象的だった厳冬のモンゴルで出会った姉妹。マイナス30度を下回る気温の中、その寒さを表現するために青みがかったイメージでやや暗めに撮影した。AIによるキズ・ホコリ除去では衣装に付着していた羊毛は修正されず、精度の高さを感じた。

(左:Before 右:After)

ゲルの天窓から見え た星空

ゲルの天窓から見えた星空を長時間露光した作品。一瞬だけ灯されたローソクの赤味も飽和することなく、カラーキャリブレーション後ならば 補正を一切加えず「 ポジ忠実 」の色にスキャンされた。

キャリブレーション機能

SilverFast は完全自動 IT8 キャリ ブレーション(特許取得済)機能を搭載。別売のカラーターゲットを使い、キャリブレーションすることで反射原稿(プリント)も透過原稿(ネガ&ポジフィルム)も原板に忠実な色にスキャンできる 。SilverFast のコンセプトは「いかに元の状態を変えずにデジタル化できるか」。カラーターゲット使用で得られる色への安心感は大きい。

 

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[写真・解説] 清水哲朗
しみず・てつろう

1975年、横浜市生まれ。
23歳でフリーランスとして独立。
独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。
個展開催多数。

 

4回 階調豊かな再現性 マルチエクスポージャー(多重露光)機能

コントラストの高い作品でも安心

 日向と日陰のコントラストが高く明暗差が大きい写真には、マルチエクスポージャー(ME)が有効だ。
この写真は富士フイルムのベルビア(RVP)で撮影したもの。発色は良いがコントラストがとても高く表現される特性を持っているために、影の部分が黒ツブレしやすいがMEを使うことでしっかり再現してくれているのがわかる。
HDRに似た機能と思えば理解しやすいだろう。さらにノイズ軽減効果もあるのでありがたい。
MEと同時に行えるグローバルCCやセレクティブCCは色味を補正できる機能。褪色したフィルムの色を補正するのもこの機能を使えば簡単に行える。
今回もベルビアの特徴でもある抜けるような青空をしっかり再現してくれた。

【After】

【Before】

 

 

[写真解説]

約25年前のドイツ、ブレーメン。
年間3カ月ほどの海外取材を続けていた頃の写真は、ストックが数十万点ある。
中にはこのように退色が始まっているものもあり、一刻も早いデジタル化の必要がある。

 

マルチエクスポージャー機能

マルチエクスポージャー(ME)は、プレスキャンを2回行うことによりダイナミックレンジを最大でスキャニングが可能だ。低照度部に発生しやすいノイズも同時に軽減できるので、安心してデジタル化できる。これまでなら白トビ、黒ツブレしていたようなシーンでも階調豊かに再現してくれるのだ。

 

過去製品でも利用可能

 上の写真はニコンLS9000でスキャンした。純正ドライバーはWindowsVistaまでしか対応していないが、シルバーファーストは過去製品であっても多くのスキ ャナーに対応しているのも大きなメリットだ

 

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3回 ストレスから解放してくれる キズ・ホコリ除去機能

他のソフトにはない精度の高さに驚き

キズ・ホコリ除去機能は他のソフトにも搭載されてはいるが、SilverFastはAIを駆使した処理を行うので、人の目で選別したようにキズ・ホコリと被写体とを区別 してくれる。特によくある糸ゴミの判別は秀逸。
草木などの細かな線状の絵柄付近にあった場合でも、糸ゴミだけを除去する。この精度の高さには驚いた。
使用方法は、「iSRD」と「SRDx」を補正モードにし、検知の数値を決める。数値を大きくすると、「iSRD」ではホコリの補正能力が高まるが「SRDx」では絵柄の部分を補正しボケたようになってしまうことがあるのでその場合は、設定で調整する。また、シミのような汚れや大きな点像のキズ・ホコリは絵柄の一部と認識して補正されないことがあるが、マスクで部分的に補正することで解決できる。

スキャン完了

 

SilverFastには2つのキズ・ホコリ除去機能が搭載されている。1つは赤外線を使って除去する「iSRD」といわゆる通常の除去を行う「SRDx」。この2つの機能を使うことで自然にキズ・ホコリ が除去できる。
この作品は4×5判フィルムの多重露光だが、撮影時に仕切りを抜き差ししたときのわずかなズレまで見つけて補正してくれた。難しい操作は一切行っていない。
ただ2つのアイコンを押しただけだ。

iSRDボタンとSRDxボタンの2つだけ!

 

【これまでだと】
スキャン後にレタッチソフトを立ち上げ、画面を拡大しながらキズ・ホコリがないかをチェック。
コピースタンプツールなどを使って1つずつ手動で除去。 →手間と時間がかかる。

SilverFastを使えば
キズ・ ホコリを除去するには「iSRD」と「SRDx」の2つのアイ コンマークを押すだけ。
さらに表示を「1:1」もしくは「HQ」にすると再度プレビューを行い、詳細な画像で結果を確認できる。 →効率的に作業できる。

 

 

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2回 ワークフローパイロットを活用しよう

ワークフローパイロット機能とは?

表示画面の左上の飛行機マークを押すと表示されるアイコンの順に作業を行うことで、はじめての方でも迷わず簡単にスキャンできる機能。その中でも輝度差が大きい写真を調整する際の「ME」と、ほとんどの調整を自動で行ってくれる「自動CCR」はとても優秀。埃や傷は赤外線を使う「iSRD」と赤外線を使用しない「SRDx」で、違和感なく消去することができる。

一連のスキャン作業が見た目にもわかりやすく表示され、各項目の操作もサポートしてくれる。左から順に項目をクリアしていけばはじめての方でもスムーズに作業できる。

【これまでなら】
何をどの順番で調整していいのかわからない

SilverFastを使えば
手順をアシストしてくれるので迷うことがない。作業の短縮化が図れ、フィルム資産を新たに呼び戻すことが容易になる。

<SilverFastを使用>

機能の中で明るさや色などを自動で調整してくれる「自動CCR」のみ使用した。性能は高く、この機能だけで作業は十分なことも多い。

 

<通常のスキャニングソフトを使用>

 

 

 

 

 

おすすめは自動CCR機能

ワークフローパイロットは便利なことはもちろん、SilverFastに搭載されている各機能を理解するのにも役立つ。はじめて使うという方はぜひ一度試してほしい。このソフトならではの特長やメリットがよくわかる。
そもそもフィルムは完全な状態ではなく、特にネガはその見た目からは色が判断できない。そこで活用したいのが自動CCR。この機能を使えば逆光やコントラストの強弱がある場合でも、難なく自動で調整しプレビューで確認できる。
もちろん自分で好みの色味や明るさに調整できる機能も搭載されている。画像処理をしながらスキャンできるため、作業効率の大幅なアップにつながる。Photoshopなどのプラグインとしても使えるので、細かな部分までレタッチしたい場合は、連携しての使用がおすすめだ。

 

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1SilverFastって何?

SilverFastってこんなソフト!

スキャンから画像処理まで一貫して行える
精度の高いホコリ除去機能を搭載
スキャン前に指定した処理をプレスキャンで確認できるので安心して作業が可能

【これまでなら】
過去に撮影した大切なフィルムが、眠ったまま……。
スキャンやその後に行う画像処理が面倒だから。

SilverFastを使えば
作業の短縮化が図れ、フィルム資産を新たに呼び戻すことが容易になる。
押し入れにしまい込んだお宝フィルムを発掘できる!

<SilverFastを使用>

画像処理とスキャニングが一度にできる便利なソフト。スキャン後の作業が短縮できるので、大量にあるフィルムのデジタル化も容易に行える。

 

<通常のスキャニングソフトを使用>普段であればここからさらにホコリ除去や画像処理が必要になる。その手間がかからないだけでもSilverFastを使う意味は大きい。

 

 

SilverFastには便利な機能がたくさん!

このソフトには便利機能がたくさん。

中でもヒストグラムやグラデーション、色補正など、写真愛好家には必須の画像処理ソフト並みの機能が搭載されている。ホコリ除去機能も優秀で、すべてスキャン時に完結できる。

 

黒から白まで階調も豊かに再現

通常のスキャニングソフトでは仕上がりの調整が細かくできないものが多く、明るさやコントラストなどはスキャン後の画像編集ソフトに頼ることになる。そのため、シャドー部など無理な処理によるノイズの増加や色飽和など、画像データに予期せぬダメージを与えることがある。
その点、SilverFastはスキャンから画像処理まで一貫して行え、黒から白まで階調も豊かに再現される。マルチエクスポージャー(ME)を使えば広いダイナミックレンジかつ高画質でスキャンすることもでき、コントラストの高い画像にも有利だ。
さらに劣化し褪色が始まったフィルムも、ある程度ならほぼ問題なく復元できるのも大きな特長だ。

 

340種類以上のスキャナーに対応! 購入・ダウンロードはこちらから!
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[写真・解説]

藤村大介
ふじむら・だいすけ

1970年、香川県生まれ。
1995年、フリーランスとしての活動を開始。ライフワークとして20年以上撮影を続ける夜景のほか、世界各地の建築、名所、旧跡、文化、民俗などを取材。
主な著書に『世界のまがとき』(小社刊)がある。