20代で写真を楽しんでいる人たちはどのような写真生活を送っているのか。SNSなど、本誌読者とは少し違ったフィールドで活躍する若者たちに迫る。
登場した人に、次の人を紹介してもらうリレー形式で行っていく。

第10回 松嵜祐紀(@ohisamaking)

写真歴 : 2年半
1996年生まれ。千葉県在住。地元の千葉県を中心に日本全国各地の自然風景の写真を撮り回る。学生時代には、ヒッチハイク日本一周を達成。
所有機材:キヤノンEOS R

ローカル線の列車と工場地帯の哀愁感、どこか懐かしさを感じるここの風景に心を打たれました。よりドラマチックな光景を収めるために、学生時代に時間のある日は、必ずと言ってもいいほど通いました。

 

写真をはじめたきっかけは?

もともとサッカーをやっていて、Jリーグの応援しているチームの試合を観にいろいろな場所へ行っていました。そのついでに近くを観光し、写真を撮る、というスタイルでした。本格的に写真にのめり込んだのは、Twitterなどで見ていた写真のうまい人に撮影地で会う機会があり、刺激を受けてからです。今ではサッカーを抜きにして、写真を撮るために出かけるようになりました。

写真で大切なこと

撮るうえでこだわっていることは、「光」「視線誘導」「対比物」の3つ。光は基本中の基本ですが、白から黒まで階調が整っている、陰影のある写真を目指しています。視線誘導は曲線を意識したり、前景をポイントに奥行きを出したり、レタッチで主役を引き立てるように調整しています。対比物は、風景の雄大さを表現するため足下の石ころや花、人物などを入れ、アクセントにしています。

写真の魅力

一言でいうと自分を変えてくれたことです。写真をやっている人にはいろいろな人がいて、年上の人や同年代など、写真を通じて多くの出会いがあり、自分を成長させてくれました。また、カメラを好きになったことがきっかけでカメラ関連会社に入社するなど、人生に大きな影響を与えています。写真をやっていなければ今の自分はないと思うと、写真と出会えて本当に良かったです。

写真業界の憂い

SNSが流行っていて、写真をスマホやパソコンなどの画面上で見る機会が多いですが、自分の周りでは数年前に比べて写真の投稿数が減ってきているように感じます。理由はいくつかあると思いますが、“飽き”も一つの要因だと考えています。業界のことを考えるとこれはマズい……。自分も含め、もっとプリントや写真展など、画面にとどまらないアウトプットを広めていきたいです。

今後の目標

もっと多くの人にカメラの楽しさを知ってもらいたい。昔の自分がそうだったように、誰かの心を動かせる写真を撮っていきたいです。自分の写真を見てカメラをはじめた、同じカメラを買った、同じ撮影地に行った、などなど、形はどうあれ誰かの人生に少しでも影響を与えられるような活動ができればと考えています。