20代で写真を楽しんでいる人たちはどのような写真生活を送っているのか。SNSなど、本誌読者とは少し違ったフィールドで活躍する若者たちに迫る。
登場した人に、次の人を紹介してもらうリレー形式で行っていく。

第7回 野瀬大樹(@hirokingraphy)

写真歴 : 3年
1991年生まれ。関東在住。Instagramを中心に活動中。主に美しい自然や動物、東京の街並みやポートレートを撮影。常に「自分にしか出せない世界観」を意識して撮影している。
所有機材:ソニーα7RⅢ

色鮮やかな紅葉と日本の着物と和傘、そして木々の間から 差し込む光の神秘的な瞬間を撮影しました。この光景を直接見られたことは、本当に嬉しかったです。日本の美しさ、伝統の素晴らしさを表現できた1枚となりました。


 

写真をはじめたきっかけは?

趣味はバイク、車、服などで、カメラとは無縁でした。そんな中、よく行く服屋の店員さんが写真好きな人で、日常生活から何気ない1枚まで、すごくかっこよく撮っていたことに衝撃を受け、それがきっかけで興味を持ちました。はじめはスマホでスナップなどを撮っていましたが、夜の撮影などで限界を感じていたところ、一眼レフだとスマホでは不可能なこともできるとしり、カメラを手に入れました。

写真へのこだわり

最もこだわっているのは妥協しないことですね。例えば動物園に行ってもライオンの檻の前で何時間も、ベストな瞬間を見逃さないようじっと待つこともあります。納得する一枚のためには手間も時間も惜しまないようにしています。ほかに具体的なことでいうと光と構図を特に重要視していて、妥協せずにその一瞬をとらえ、どこまで表現できるかを意識して仕上げています。

負けず嫌いが原動力

「他人と同じは嫌」という理由から、周りの同世代に多かった風景写真ではなく、建築やスナップ、自分がかっこいいと思う世界観を常に探しました。その後は「超えたい」という人が多く出てきてしまって、その人たち よりいい写真を撮ることが目標になっていました。撮影現場やレタッチでも他の人と差別化することを強く意識しています。我ながらとことん負けず嫌いですね……(笑)。

今後の目標

一度きりの人生、やりたいことを我慢して後悔したくない、そう思って約10年勤めた会社を辞めて、写真家として活動しています。不安もありましたが、彼女や周りの人が背中を押してくれたことなどもあっての決断です。自分にしかできない表現や世界観、目の前の感動を、どうすれば写真をやっていない人や多くの人たちに届けられるか、その答えを探していきたいです。