禁断のカメラカスタム 第1回

【やっちゃダメかもしれないけど楽しい破壊と創造】

カメラやレンズは精密機器、ものすごく精密なもの。分解してはいけません!絶対にダメです!!ちょっと開けてみようか、なんて、ネジひとつ外したら、大丈夫、もひとつ外して、大丈夫。で、悲劇が起こります。元に戻せない悲劇。もうあの日には戻れないのです。
だいいち、仮に戻せたとしても「精度」という巨大な壁があります。精密機器、そこは譲れない。しかし自分じゃ精度を検証するすべはない。撮ってみて「なんか大丈夫そう」「ありゃ〜ダメじゃ」というようなもの。やっぱり、絶対にダメなのです。

ただ、壊れたものを、ダメモトで分解していじくってみる、というのは別。戻せないかもしれない、けど、なにかが生き返るかもしれない。生きているパーツ、再び活躍できるかも!
壊れたり商品価値がないとかでカメラ店やリサイクルショップで数百円なんかで打ち捨てられているジャンク機材。長年これを拾い上げ、分解し、工作し、新たな撮影機材に蘇らせる人がいます。佐野文彦氏。「左脳右脳」というペンネームでその道では有名なジャンクカメラのデストロイヤー&救世主が「こんなことやっちゃってイイの?」と思わせる暴力的ながら超合理的な驚きのカスタムを毎月展開していきます。

フォトコン1月号-禁断のカメラカスタム

第一回の今月は、上の誌面のとおり、なんじゃこりゃ、というパーツ感ムキ出しのゴツいヤツ、これ、プロジェクターのレンズなんです。ジャンクで500円だったのを旅先の新潟で救い出して東京まで担いで帰り、本体からレンズを引っこ抜き、F1.4-2.4という大口径ズームとしてカメラの交換レンズに仕立ててしまいました。
いや、そんなことで写るのか、マウントなどないだろうにボディとの接続はどうするのか、光軸や無限遠調整はどうするのだ、考えると非常に厄介かつ面倒でヤル気をなくすようなハードルも、原理や本質に立ち返ってカンタンにクリア。荒っぽいのに理知的で「あ、そういうことなんだ!」とスカッと爽快でつい笑ってしまう。なんだか自分でもできそう、やってみっか、そう思えてしまったら、店頭のジャンクカメラが宝の山に見えてきたり。

あ、くれぐれも、ふだん使って元気に動いているご自分の大切なカメラを分解しないでくださいね!

◆フォトコン1月号特別付録◆
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