花と光の写真集 「独自の花の世界を創り出した」と評された59点収載。
タイトルは、出家してもなお桜花への想いを断ちきれなかった、西行法師の歌「花に染む 心のいかで 残りけん 捨て果ててきと 思ふわが身に」にちなみました。
自分流で野辺の花を撮り始めて以来、20年。「花の半島」(伊豆半島)を旅して出会った深紅、黄金、純白の花々が咲き乱れるツバキ、つわぶき、マグノリア。
天城連山を望む山里に移り、野原、田畑、雑木林で、野辺の花の華やぎに魅かれました。
「なぜ人は花を美しいと思うのか」。美の原点に立ち返って考えるため、長い間さまよい続けました。
心境が深まるにつれ、撮影法も変わり、それまで花は単なる写す対象でしたが、花との距離感がなくなりました。やがて「私が花を見る」のではなく、「花が私に語りかけてくる」不思議な感覚になります。
花の世界に入り、花と一体になります。こうして今の私の撮影スタイルができました。