写真の夜カツ!第14夜 参加者作品講評

写真のスキルアップ 夜景写真をきわめて楽しもう
新旧が混在する街・日本橋界隈を撮り尽くす

講師:合地清晃先生

開催日:8月4日(金)
撮影場所:日本橋

14夜目の夜カツは、日本橋界隈のランドマーク的なものから路地裏のマニアックなものまで、フォトジェニックな写真を撮り尽くしました。


撮影者

谷村繁雄さん

タイトル

日本橋夜の輝き
最後に日本橋まで戻ってくると、合地先生のコメントにもあったように征きの情景とは一変した夜の輝いた日本橋になっていました。高速道路の輝きとともに象徴の欄干を撮りました。

講評

東京の玄関口、日本橋ならではの重厚感あふれる造形を素直に捉えた作品ですね。時代変化の中で頭上に覆いかぶさる首都高の造形と装飾の施された街灯の組み合わせがバランスよく表現出来ていて良い感じです。画面右の部分が少し窮屈ですので、もう少し右に移動して写せば最高でした。


撮影者

黒田立夫さん

タイトル

輝き
まだ空の明るさが少し残っていますが、照明の輝きを撮りました

講評

まだ空に明るさの残る夕暮れ時としては最も美しい情景を捉えることのできるマジックアワーを生かしたシンプルで美しい作品です。ビルの谷間に浮かび上がる煌煌とした街路灯の輝きが印象的ですね。カメラの設定のせいか、少々空の鮮やかさが強いようです。もう少し控えめなブルーに表現できれば最高でした。


撮影者

脇山佳二さん

タイトル

老舗
デパートの入り口に下がっていた暖簾を下から煽り気味に撮影してみました。

講評

歴史的建造物の多い日本橋でも屈指の存在感を放つ三越デパートの入口に掲げられた巨大な暖簾にポイントを絞ったストレートな作品です。ローアングルで正面から捉え、ぬくもりのある色調の地面を入れた点はとても良い感じですね。露出がアンダー気味なので2/3段ほど明るく写せば更に良くなったと思います。


撮影者

長谷川文恵さん

タイトル

夜景の日本橋
何度か撮っている真昼の日本橋。夜カツでなければ発見できないアングルに感動する。

講評

首都高の高架橋が覆いかぶさる、現在の日本橋の特徴を素直にとらえた作品ですね。場所がら、高架下とは思えないような装飾と特徴的な街路灯の造形がバランスよく表現できています。またオレンジ色の照明を上手く取り入れたことも良い結果につながりました。今後もチャンスがあれば人工照明を生かした美しい作品を作って下さい。


撮影者

堀内 彰さん

タイトル

時の隙間
時の流れと共に移りゆく光の世界。妖精のお喋りが聞こえました。

講評

人工照明特有の色の偏りとスローシャッターによる被写体ブレを生かした美しい作品です。巨大な柱をバランスよく配置することで安定した画面構成にし、画面上部に特徴的な色調を取り入れたことで単調な色合いにならず、良い雰囲気に仕上がりましたね。画面左から来ている車がもう少し外にいるタイミングを狙うと更によくなります。


撮影者

服部秀子さん

タイトル

トワイライト
夕暮れ時ならではの写真を楽しく撮ることができました。この時間の光と色を表現できていたらと思います。

講評

夕暮れ時特有の強い陰影を生かした力強い作品です。空を埋め尽くす雲と特徴的な街路灯の造形を生かした画面構成が良い感じですね。また、独特のホワイトバランス設定により、ぬくもり感と印象的な雰囲気を両立した点もマッチしています。画面下の街路灯部分の左右の空間を均等に出来れば最高でした。


撮影者

安間光雄さん

コメント

横断歩道の前後で信号待ちをする人と歩く人をブラして中央通りの夕暮れ時を表現しました。合地先生の丁寧な実写説明に狙いが明確であることを実感いたしました。又、参加者のカメラアイも大変参考になりました。

講評

街角での一瞬をとらえた素直な作品ですね。信号待ちをする静止した人と微妙なブレによって動感を表現しながら手前を横切る女性の姿が対照的で良い感じです。近年では人物スナップには制約も多く、撮影自体が難しいことも少なくありませんが、このような生かし方は有効ですね。今後もいろいろな作品にチャレンジしてください。


撮影者

金子佳子さん

タイトル

急ごう
ウィンドウのマネキンですが、「花火大会が始まるよ。急ごう!」と手をつなぐような光景に見えました。

講評

ショーウィンドウ越しのマネキンの手元だけにポイントを絞ったユニークな作品ですね。左右から伸びた手の部分が不思議なバランスでとらえられたことに加え、マネキン特有の、のっぺりした質感が不思議な雰囲気を醸し出しています。これからもユニークな視点でよい作品を作ってください。


撮影者

中村利久さん

タイトル

日本橋の焼き鳥屋
銀座の裏路地の焼き鳥屋は、提灯までおしゃれでした。涼しい時間帯にゆっくり撮影できて良かったです。先生の説明もポイントがわかりやすくて、とても良かったです。

講評

夜の街の特徴でもある提灯の明かりを素直にとらえた作品ですね。手前に典型的な和風の提灯を入れ、背景にはユニークな形でカラフルな提灯をボカして入れた点は良かったと思います。少々残念なのは手前の提灯の存在感が薄いことです。もう少し多めに入れるようにすればバランスよく仕上がります。


撮影者

中村一子さん

タイトル

あれわいさのさ
昔、日本橋を出発し京都までの東海道五十三次の旅にさあ出かけましょうと歌われた<お江戸日本橋>。今もなお多くの人はもちろん、車や自転車が行き交うこの場所。刻々と変わりゆく空模様に合わせての先生のアドバイスがとても分かりやすくて大変勉強になりました。時々お声がけ頂いてお心配り頂いたことにも感謝申し上げます。お陰様でとても楽しい時間となりました。

講評

地面すれすれのローアングルから巨大な建造物が立ち並ぶ交差点の姿を捉え、さらに人物や自転車の車輪をブラしながら取り入れたユニークな作品です。特に自転車の車輪を生かすというアイデアは中々ですね。少々残念なのはシャッター速度が遅すぎるため車輪の存在感が弱くなったことです。もう一段程度早いシャッター速度のほうが良かったように思います。


撮影者

澤 良世さん

タイトル

老舗の格調
短い時間でしたが、外の明るさの変化を考えながら撮影するというテーマを与えていただいて、いろいろ勉強になりました。日本橋の多様な表情を撮ることができて楽しかったです。

講評

長い歴史を感じさせる装飾が用いられた地下鉄の入り口と人物の姿をシルエットで生かしたシンプルな作品ですね。明暗差が大きく、案内板と人物を両立しずらい状況ですが、背景の色合いを生かして人物を浮き上がらせた点は良かったと思います。あと2/3段ほど明るく写せばすっきりした仕上がりになると思います。


講師総評と撮影作品

時代とともに常に変化し続ける日本橋の姿を夕暮れ特有の変化の中で写していただく撮影会でしたが、ご参加いただいた皆さんは各自の視点で興味の対象を定め、個性豊かな作品を作り上げていた点が印象的です。夕景夜景に限ったことではありませんが、写真は同じ場所で写していても作者独自の個性が如実に表れます。これからも是非、良い作品を作り上げてください。

新旧の建物や構造物が織りなす様々な表情が特徴的な日本橋。その中でも独特の重厚感を持つ西洋風の構造を持つ柱の姿にポイントを絞って撮影しました。空にブルーの色味が残る時間帯を生かし、広角レンズによる遠近感の強調で高さと強い存在感を際立たせました。



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